おまもり認定アートメイク看護師とは、高度なアートメイクの技術を提供できる、いわゆるベテランのアートメイクアーティストと呼ばれる存在です。
アートメイクだけでなく抗がん剤などの知識もあり、安心して施術を受けられる存在でもあります。がん治療を受けている・控えている方の中には「脱毛について心配している」「対策に悩んでいる」という方もいるのではないでしょうか。
そんな方々へ向けて、おまもりアートメイクでは兵庫県神戸市でアートメイクアーティストとして活躍する甲斐富佳さんを紹介していきます。
兵庫県神戸市で悩みを抱えている、もしくはその他の地域でもアートメイクに関心のある患者さんは、ぜひ参考にご覧ください。
<SNS情報>
甲斐さんインスタグラム
https://www.instagram.com/tomi_artmake
医療法人社団 甲斐診療所
https://kai-shinryousho.ci-hp.jp/
おまもり認定アートメイク看護師 甲斐富佳さんのご紹介
―これまでの経歴や現在所属している病院・クリニックなどを含めた自己紹介をお願いいたします。
[甲斐]
看護師となってからは、二次救急病院の病棟でしばらく勤務しておりました。
ーこの時は外科での勤務でしょうか?
[甲斐]
そうですね、緊急手術前後の看護や入院治療の看護を行っておりました。そして子宮頸がんを患った後は体調のこともあり、その後は心身ともに比較的負担が少ない透析室で勤務をしておりました。
その後、結婚・出産を経て、2022年より甲斐診療所内でアートメイク施術を行っております。
ー甲斐診療所でアートメイクを提供する前に、アートメイクに関心を持たれたのはいつでしょうか?
[甲斐]
元々メイクを学んでいたこともあり、眉毛について関心があったのですが、仕事復帰しようと考えていた時、友人と話している中でアートメイクの存在を知り、自分も実際に施術してもらい、その技術に驚き感動し、アートメイク看護師になる決意をしました。その後、現在の夫が経営している甲斐診療所でアートメイクを提供しています。
◼️おまもりアートメイク(弊社団)へ加入したきっかけや当時の思いを教えてください。
[甲斐]
自身ががんを経験した経験やメイクを学んでいた経験から、アートメイクで誰かの支えになることができるのではないか、という思いでアートメイク看護師となりました。
ーアピアランスアートメイクに携わる強い思いを抱かれたのですね。
アートメイクを始めた当初は、ともかく経験を積まないといけないと思い、需要の多かった美容アートメイクを中心に施術をしておりましたが、がんを患った友人や知人の関わりの中から、アピアランスアートメイクをがん治療前に知る事ががん患者さんのQOLを高めることに繋がることを再確認しました。
[甲斐]
抗がん剤治療前にアートメイク施術をされた方には、『これから始まる治療に少し前向きになれた。この技術はがん治療をする人全員に知ってもらった方がいい』と言われました。
また、既に抗がん剤治療が始まり状態が優れずに施術が出来なかった方には、『アートメイクの存在を治療前に知りたかった』と言われ、医療アートメイクの存在を治療前に知っておくことが必要だと実感しました。
ー治療中の段階では心身の負担も大きいので、治療が始まる前の早い段階で知っていただけるのが理想ですよね。
[甲斐]
その後、医師である主人の手も借りながら個人的に各病院にアピアランスアートメイクの認知を図ろうと思っていた時に、おまもりアートメイクさんの存在を知り、おまもり看護師認定を志願いたしました。
兵庫県神戸市でのアピアランスケアの現状について
■兵庫県神戸市でアピアランスケアやアートメイクの認知度に関して感じる課題感などあれば教えてください
(実情や壁と感じている点など)
[甲斐]
まだ実際に病院を訪問した事が無いので、具体的なことは申し上げにくいのですが、アートメイクを初めてから、皮膚科、内科、消化器内科、循環器科の先生とお話する機会があったのですが、アートメイク自体にも知識が乏しく、アピアランスアートメイクとなると、先生方や看護師の方々の認知もとても低く、患者さんに情報が届くことがとても難しいように思えます。
ー兵庫県神戸市でも甲斐様の活動されている地域では、アートメイクを提供しているクリニックや病院は少ないですか?がん医療を提供している病院は地域にどのくらいありますか?
[甲斐]
アートメイクを提供している病院やクリニックは都会に比べると圧倒的に少ないと思います。近隣にはがん診療拠点病院に指定されている病院がいくつかありますが、アピアランスアートメイクとなると、更に認知が低い状況にあると思います。
まずは、さらにがん看護やがん医療に関する知識を深めながら正しい知識と情報、技術を持ち、それを医療現場に届ける事が第1段階だと感じています。並行して、患者さん自身も治療前の選択ができるように、これからがんを患うかもしれない方々のかかりつけのクリニックで情報を伝えることも重要ではないか、と考えております。
ー確かにがん治療を提供する前に認知を広げるためにも、かかりつけクリニックでアピアランスケアやアートメイクについて情報提供していただくのも有効的に感じます。
そこは医師である夫に協力してもらおうかと(笑)。当初は医師である夫もアートメイクには関心をあまり持っていなかったのですが、今は応援してもらえています。
ー身近に強力な味方がいるのはとても嬉しいですね。
おまもり認定アートメイク看護師として・アートメイクアーティストとしてのアピアランスケアに対する思い
■おまもり認定アートメイク看護師として・アートメイクアーティストとしてのアピアランスケアに対する思いを率直に教えてください。
[甲斐]
がんやがん治療、脱毛症に向き合っている方に寄り添い、医療アートメイクでその人らしい笑顔を守ることが、癌を患ったことのあるアートメイク看護師の私だから出来ることだと思っています。
脱毛に対する選択肢の一つとしてのアートメイクの存在を皆様にお伝えしていくと共に、心の支えになるようなアートメイク施術をしていきたいと思っています。
ー特にがんに関しては、ご経験があるからこそ、強い責任感を抱えられているのですね。
[甲斐]
そうですね。だからこそ、私自身も常に自己研鑽に努め、スキルを磨きながら、アートメイクアーティストとして施術を提供していきたいと感じています。
■今後のビジョンや展望などはありますか?(抗がん剤治療をする方へさらに取り組みを伝えていきたいなど)
[甲斐]
今後は、おまもりアートメイクさんを通じ、毛髪の脱毛に対してウィッグが選ばれるように、医療目的のウィッグ購入補助があるように、医療アートメイクがもっと身近な存在になるよう情報発信に取り組んでいきたいと思っています。
ー医療用ウィッグだけでなくアートメイクでも補助などがあると、さまざまな方に施術を受けてもらいやすいですね。
更に診療所では、顔面麻痺や四肢に障害がある方のアートメイク希望もありますので、がん患者さんのみならず、疾患や後遺症で麻痺や痺れがある方、顔面麻痺や視力が悪い方等、身体的な理由からメイクがしづらい方に対するアートメイクにも、経済的負担を抑えて提供していきたいと思っております。
また、手術で乳輪乳頭を欠損した方々への アートメイクによる乳輪乳頭再建にも力を入れていきたいと思っております。形成外科の技術も進歩してきてはおりますが、乳がん手術後の「再建手術」となると構えてしまう方も多いかもしれません。手術よりも侵襲が少ないアートメイクでの乳輪乳頭再建も選択肢に入れてもらえればなと思います。
ー手術を乗り越えられてきた中で、また手術?と感じたり侵襲的なものに不安を感じられる方も多いですよね。
[甲斐]
あとは脱毛症等のアピアランスケアに特化した、ご本人に似合わせたウィッグカットを提供する医療美容室というのがありまして、病院やクリニック以外にも医療美容室とも連携をとって、アートメイクを提供していきたいと考えています。
最後に患者さんへの思いを一言
■最後に抗がん剤治療を受けられる患者さん、そしてアートメイクに関心を持っている患者さんに対してメッセージをお願いいたします。
[甲斐]
最近も肌の状態から他のところで施術を断られた方が来院されて、その方へ施術をした1週間後に喜びのメッセージをいただいておりました。そのようにアートメイクを困難と感じてしまった方でも、まずはご相談だけでも構いませんので、お問い合せいただけると嬉しいです。
また、車椅子だから、麻痺があるから、と身体的な理由等から他院でアートメイクを断られてしまった方の施術も行っておりますので、一度お問い合わせ下さい。
今後さまざまな方へアートメイクを提供していき、脱毛症やがん治療など病状、治療に対する不安、治療後の生活や身体の変化に対する不安等、とても多くの不安がある方々が、医療アートメイクで本来の笑顔を取り戻し、少しでも日常を快適に過ごせるようなお手伝いが出来れば幸いです。
ーがんのご経験から、患者さま心身ともに深く寄り添うアートメイク看護師として活躍されるのを楽しみにしております。ありがとうございました。
兵庫県神戸市 甲斐富佳さんにアートメイクの相談をしたい方へ
甲斐さんにアートメイクの相談をしたい方は、下記インスタグラムからDMを送ってください。
<SNS情報>
甲斐さんインスタグラム
https://www.instagram.com/tomi_artmake
医療法人社団 甲斐診療所
https://kai-shinryousho.ci-hp.jp/
他エリアを含めて、よりゆっくり相談をしたい方は、おまもりアートメイク専用のLINEにご登録ください。相談窓口をご用意しております。
取材したライター
鬼頭 怜那 -Rena Kito-
(正看護師・産業心理カウンセラー)
小児科総合病院の産科に就職。障害を持って生まれる胎児を身篭る母体の管理の病棟で勤務後、翌年精神科病棟の急性期、慢性期で勤務。
さまざまな精神疾患の患者の看護や薬理病理の勉強、身体疾患の患者も多く全身管理も行う。
その後精神科特化の訪問看護ステーションにて勤務。地域で生きる精神科疾患の患者の看護と地域連携、他職種連携を行う。
現在は看護師ライターとして医療記事の執筆や編集を行っている。