おまもり認定アートメイク看護師とは、高度なアートメイクの技術を提供できる、いわゆるベテランのアートメイクアーティストと呼ばれる存在です。
アートメイクだけでなく抗がん剤などの知識もあり、安心して施術を受けられる存在でもあります。がん治療を受けている・控えている方の中には「脱毛について心配している」「対策に悩んでいる」という方もいるのではないでしょうか。
そんな方々へ向けて、おまもりアートメイクでは石川県金沢市でアートメイクアーティストとして活躍する池森くみ子さんを紹介していきます。
石川県金沢市で悩みを抱えている、もしくはその他の地域でもアートメイクに関心のある患者さんは、ぜひ参考にご覧ください。
<SNS情報>
池森さんインスタグラム
https://www.instagram.com/kumi_artmake_kanazawa/
なつこクリニック
https://natsukoclinic.com/
おまもり認定アートメイク看護師 池森くみ子さんのご紹介
―これまでの経歴や現在所属している病院・クリニックなどを含めた自己紹介をお願いいたします。
[池森]
最初は医療事務として働いており、31歳の時に看護師資格を取得しました。
その後に金沢医科大学病院(循環器内科・集中治療センター・集学的がん治療センター)で看護師として勤務後、現在は白井聖羅さんのスタッフとしてアートメイク看護師となり、主に金沢市内のクリニックにてアートメイクを行っています。
◼️おまもりアートメイク(弊社団)へ加入したきっかけや当時の思いを教えてください。
[池森]
アピアランスケアとしてのアートメイクを発信したいと感じていましたが、個人では発信力が弱く、アートメイクが必要な方に届かない、患者さんも誰に頼って良いのかわからないのではないかと感じていた時に、おまもりアートメイクの存在を知りました。
おまもりアートメイクでは、がん医療アートメイクについて、大変わかりやすいホームページ・広告チラシが既にあったため、患者さんや医療機関の方々にも伝えやすいと考えました。
アピアランスケアを見据えてアートメイクを始めたので、自分もおまもり認定アートメイク看護師となってがん医療アートメイクを普及させる活動が行いたいと思い加入させて頂きました。
(右:池森さんによる脱毛症の方へ施術された症例写真)
ーもともと看護師になろうと思ったのも、アピアランスケアのアートメイクをやりたかったというのが理由なのでしょうか?
[池森]
いえ、始めからというわけではありませんでした。働きながらアピアランスケアのアートメイクをやりたいと考え、そこから抗がん剤治療について学べる部署への異動希望を出して働いた後、アートメイクについて学び、アートメイクアーティストになりました。
抗がん剤治療をされて脱毛を経験された方と関わった中でのエピソード
■実際に抗がん剤治療をされて脱毛を経験された方と関わった中でのエピソードで、印象的なものについて差し支えのない範囲で教えてください。
[池森]
30年程前の化学療法で脱毛を経験された60代の女性のエピソードです。
治療後に毛髪は再発毛したものの、眉の毛量は元に戻らずに薄い状態となり眉がコンプレックスとなってしまっておられました。
その方へ眉毛のアートメイクを行ったところ「眉毛がある…」と涙を流して喜ばれました。「この技術は必ず必要としている人がいる。当時アートメイクという選択肢があったなら必ずしていた。」とおっしゃられたことがとても印象的でした。
ーアピアランスケアのアートメイクアーティストとしてすごくやりがいも感じる素敵なエピソードですね。
[池森]
そうですね、看護師をやっていて涙を流して喜ばれる場面ってなかなかないじゃないですか。私も泣きそうになりました。
(左:池森さんによる脱毛症の方へ施術された症例写真)
石川県金沢市でのアピアランスケアの現状について
■石川県金沢市でアピアランスケアやアートメイクの認知度に関して感じる課題感などあれば教えてください
(実情や壁と感じている点など)
[池森]
石川県金沢市でも、アピアランスケア専門の美容室「FOR.AC」の展開や、白井聖羅さんの活躍によりアピアランスケアは少しずつ広まりつつありますが、まだ「アピアランスケアってなに?」という状態が多いのが現状です。ただ白井聖羅さんが、テレビに出演されたのもあって、以前よりアートメイク自体への知名度は上がったのかな?という気持ちではあります。
ー確かに地域や世代によっては、インターネットは利用しなくてもテレビは見るという方も多いと感じます。
そうですね。石川県の患者さまはテレビを見られる方も多いと感じます。
また医療者の中でも、アートメイクのMRIでの熱傷リスクや、のっぺりした眉になるという先入観が強い方が多いです。アートメイクでの創部感染リスクを懸念する医師の声もあることや、アピアランスケアのガイドラインが古いためかアートメイクをおすすめしないというような内容の記載もあるため、医療者がアートメイクを患者にすすめることもあまりありません。
そのため患者さんはアートメイクの存在すら知らない、アートメイクを知っていてもどこで受けたら良いかわからないという方が大半であると感じました。
ー広める側の医療従事者の理解を得るのが先かもしれませんね。
[池森]
そのためまずは医療者側にアートメイクの安全性や有効性を理解してもらえるのが理想と感じます。
理解した上で、患者さんが脱毛へ不安を感じたならば、選択肢の1つとしてアートメイクがあるということを説明できるようになる必要があります。
北陸は個人で活動しているアートメイクアーティストが多い地域のため、医療者・患者さん・アートティストを繋ぐことが重要で、おまもりアートメイクがその橋渡しのプラットホーム的存在になれると思います。
おまもり認定アートメイク看護師として・アートメイクアーティストとしてのアピアランスケアに対する思い
■おまもり認定アートメイク看護師として・アートメイクアーティストとしてのアピアランスケアに対する思いを率直に教えてください。
[池森]
自分自身が抜毛症で眉がなく、ずっと眉がないことがコンプレックスでしたが、アートメイクで眉ができたことで人生が豊かになったと日々体感しています。
治療で眉がなく苦しんでいる方に、脱毛での精神的ショックをアートメイクで少しでも緩和し、生活や治療に前向きになって欲しいと願いアートメイクをしています。
ー眉毛がない辛さを共感している池森さんだからこそ、患者さまへ共感しやすいですよね。
[池森]
そうかもしれません。治療ではないので、眉毛がないからといって死ぬわけではないです。ただアートメイクを受けて眉毛がある状態になることは、精神的な部分の支えになると強く感じました。おまもりアートメイクのおまもり認定アートメイク看護師としてアートメイクという素晴らしい技術が必要な方々に1日でも早く届けれるよう活動したいです。
■今後のビジョンや展望などはありますか?(抗がん剤治療をする方へさらに取り組みを伝えていきたい など)
[池森]
今後は眉毛だけではなく、リップ・アイライン・乳輪乳頭のアートメイクも導入予定で、より患者さんのニーズに対応できる看護師を目指します。
また抗がん剤治療を受ける患者さんは、高齢であったり休職・子育てをしながら治療に専念する方が多く、外見ケアにお金をかけられないという声もあったので、アートメイクも医療として保険適用とされる社会になることを願います。
(左:池森さんによる抗がん剤治療中の方へ施術された症例写真)
ー全額とまでいかなくとも、1割、せめて3割負担とかが理想ですよね、病気の治療と同じ負担額のように。
[池森]
そうですね。3割でもかなり違うと思います。抗がん剤治療をされている方の経済的負担は非常に大きいので…。
脱毛を防ぐためにパックスマンを使う方もいますが、1回で1万円以上しますし、それを何度も受けなければなりません。もちろん抗がん剤の費用も保険適応ですが自己負担の費用もそれなりに高額になってくると思うと、なかなかアートメイクの優先順位は下がってしまいます。
ーそんな中でもアートメイクを知って受けていただくために、費用面での負担を下げられると、もう少し受けてもらいやすいですよね。
最後に患者さんへの思いを一言
■最後に抗がん剤治療を受けられる患者さん、そしてアートメイクに関心を持っている患者さんに対してメッセージをお願いいたします。
[池森]
これから抗がん剤治療を始める患者さん、治療に対する期待・不安で頭の中がいっぱいであると思います。
アートメイクでその不安が少しでも軽減され、笑顔でいる時間、自分らしく過ごせる時間が増えることを願っております。
ー自分らしく過ごせるというのは生きていく上で大事ですよね。
[池森]
そうですね。あとは、眉毛がないと表情だけではなく、病気っぽいみたいな印象を受けるみたいで。お孫さんから「怖い」とか「病気なの?死んじゃうの?」のように言われてしまったという方もいました。
ー自分は元気と思っていても、お孫さんからの印象を聞いて落ち込んでしまう方もいるんじゃないでしょうか。
[池森]
そういう患者さまが、落ち込んだり悲しい気持ちになったりしないように、アートメイクをしていければなと思ったこともあります。それぞれの患者さんの生活に寄り添えるような存在になれたら嬉しいです。
石川県金沢市 池森くみ子さんにアートメイクの相談をしたい方へ
池森さんにアートメイクの相談をしたい方は、下記インスタグラムからDMを送ってください。
<SNS情報>
池森さんインスタグラム
https://www.instagram.com/kumi_artmake_kanazawa/
なつこクリニック
https://natsukoclinic.com/
他エリアを含めて、よりゆっくり相談をしたい方は、おまもりアートメイク専用のLINEにご登録ください。相談窓口をご用意しております。
取材したライター
鬼頭 怜那 -Rena Kito-
(正看護師・産業心理カウンセラー)
小児科総合病院の産科に就職。障害を持って生まれる胎児を身篭る母体の管理の病棟で勤務後、翌年精神科病棟の急性期、慢性期で勤務。
さまざまな精神疾患の患者の看護や薬理病理の勉強、身体疾患の患者も多く全身管理も行う。
その後精神科特化の訪問看護ステーションにて勤務。地域で生きる精神科疾患の患者の看護と地域連携、他職種連携を行う。
現在は看護師ライターとして医療記事の執筆や編集を行っている。