がんの抗がん剤治療を受ける際に、不安要素の1つとして挙げられるのが脱毛です。
がんの宣告を突然受けて、治療が始まるのも急で不安や悲しさ、焦りなどの感情もある中、さらに脱毛への不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
本記事では不安を感じるがん患者の方に向けて、がん治療で起こる脱毛の対策方法を解説していきます。
さらに対策の1つであるアートメイクとはどのようなものなのか、心配な安全性の点も踏まえて解説していきます。
脱毛が不安で悩んでいる方や現在脱毛による対処法を探している方は、ぜひ本記事をご覧ください。
がん治療でなぜ脱毛が起こる?いつからどのくらい抜ける?
そもそもがんの治療で、なぜ脱毛が起こるのかが気になっている方もいるでしょう。また、どの範囲の毛がいつからどれくらい抜けるのか不安な方もいるかもしれません。
脱毛は、がんの治療法である抗がん剤治療(化学療法)や放射線治療が原因で、脱毛時期や抜ける範囲はがんの範囲や個人の体質も含めて個人差があります。
それぞれ解説していきます。
抗がん剤治療(化学療法)による脱毛
抗がん剤治療(化学療法:以下抗がん剤治療と記載)は、増殖しているがん細胞を標的として攻撃する治療法です。
しかし抗がん剤は、抗がん剤は、成長が早いがん細胞を攻撃するため、同じように成長が早い毛根の細胞も影響を受ける場合があります。
抗がん剤治療で使用する薬や個々の体質などによって、脱毛のペースや抜ける毛量は異なりますが、多くの場合頭だけではなく眉毛やまつ毛など他の部位も脱毛していき、治療を受けてから約2〜3週間後から脱毛が始まると言われています。
放射線治療による脱毛
放射線治療による脱毛は、放射線を照射した部位に対して起こります。頭皮に多くの放射線が当たると多くの頭皮の毛が抜けていきます。
抗がん剤治療による脱毛と異なり、照射した部分のみなど部分的に脱毛が生じる場合が一般的です。そのため放射線治療のみの方全てが脱毛するわけではありません。
また、体を通り抜けるタイプの放射線治療では、治療した部位を反対側の毛も脱毛する場合があります。
放射線治療も抗がん剤治療と同様に、治療を受けてから約2〜3週間後から脱毛が始まります。
がん治療での脱毛にできる対策4選を紹介!
がん治療で脱毛する理由は理解できたものの、何か対策を知りたいと考えている方も多いでしょう。
実際に脱毛した後になかなか毛が生えてこずに、不安を抱えて対処法を探している方もいるのではないでしょうか。
ここではがん治療での脱毛に対してできる対策を4選解説していきます。
主に下記の4つが挙げられます。
・ウィッグを着用する
・刺激の少ないシャンプーを使用する
・マスクやサングラス、帽子を着用する
・医療アートメイクを受ける
それぞれ解説していきます。
ウィッグを着用する
がん治療の脱毛というとウィッグは外見が自然に見えるという理由から、ウィッグを選択肢として思い浮かべる方も多いかもしれません。
ウィッグは見た目の印象を取り戻せると感じる方が多いだけではなく、脱毛して刺激を受けやすくなっている頭皮を保護する役割としても役立ちます。
ただしウィッグは購入してから「似合わなかった」「着用の仕方がわからない」など悩む方も多いため、病院や取り扱いのある美容院などで試着して購入するのが良いでしょう。
ウィッグの選択に悩む方は、医療用ウィッグを販売する『株式会社リネアストリア』の担当者様へのインタビューもご覧ください。
関連記事:医療用ウィッグでアピアランスケアを〜株式会社リネアストリア様をご紹介〜
下記の記事では医療ウィッグの着用の方法も紹介しています。
関連記事:医療用ウィッグはどう着用したらいいの?お手入れのコツも
刺激の少ないシャンプーを使用する
治療によって刺激を受けやすくなっていたりダメージを受けていたりする頭皮には、刺激の少ないシャンプーを使用するのがおすすめです。
頭皮を傷つけないためにも、指の腹で優しく洗うようにしましょう。
また髪を乾かす際には弱風や低温のドライヤーで乾かすと、頭皮へのダメージをなるべく抑えられるでしょう。
ただし現在治療中の方や特に頭部への治療を中心に受けている方は、基本的に主治医の指示に従うようにしてください。
マスクやサングラス、帽子を着用する
前述のように、脱毛するのは頭髪だけではない場合があります。
見た目の変化が心配な方も多いかもしれませんが、まつ毛や鼻毛、眉毛など頭髪以外の部位の脱毛は、目や鼻にゴミが入りやすくなったり、汗が目に流れ落ちやすくなったりとさまざまな影響があります。
マスクやサングラスの着用は、見た目への不安だけではなく汚れや感染などのリスクを防ぐ役目があるといえるでしょう。
帽子以外にバンダナを使用される方もいますが、帽子の役目は頭皮の保護です。頭皮の脱毛によって寒さや紫外線の影響を受けやすくなるため、寒さによる乾燥や紫外線によるダメージを防ぐためにも帽子やバンダナの着用はおすすめです。
医療アートメイクを受ける
医療アートメイクについて耳にしたことがないという方もいるでしょう。
医療アートメイクは皮膚の浅い層に色素を入れて、眉やアイラインを作る施術です。
個人差はありますが2〜3年ほど持続するもので、メイクのように洗顔をしても落ちません。
「海苔のようになるのでは?」という印象を持つ方もいますが、現在のアートメイクは自然な仕上がりのデザインが多く、以前までのイメージとは異なり素顔に馴染む仕上がりになります。
また、アートメイクは美容目的でやるものという印象が強い方も多いかもしれませんが、がん治療で生じる脱毛対策として施術を受けることが可能です。
見た目の変化による精神的な苦痛を緩和するのを目的としていたり、脱毛後でもメイクがしやすいようにと受けたりする方も多い施術で、男女問わずに受けられます。
現在はアピアランスケアの取り組みとして医療従事者からも注目度が集まっており、おまもりアートメイクのアートメイクアーティストの看護師の方々の活躍もあり、その知名度は徐々に高まっています。
医療アートメイクは安全?がん治療を受けた方でも施術が受けられる?
医療アートメイクに対して「がん治療をして弱っている体なのに施術を受けられるの?」「針を刺すのが怖い」と感じている方もいるでしょう。
現在がん治療中ではなく、治療後経過が安定している方、もしくは治療前の準備として体調に問題がなければ施術を受け付けているクリニックもあります。
ただしアートメイクの施術を受けるときは必ず担当の医師に相談して許可をとりましょう。また予約をする際は、治療をする(した)旨をクリニックまたは施術者である看護師に伝えて、事前に相談してから予約をとりましょう。
おまもりアートメイクでは治療中の方でも施術の対応を行える、高度な技術と知識を持ったおまもり認定アートメイク看護師をご紹介しています。
また医療アートメイクは医療従事者が行う医療行為であり、高いスキルと豊富な経験を重ねた施術者によるものであるため、安心して受けていただけます。
痛みに対しても塗る麻酔を使用すると痛みを抑えて施術を受けられるため、痛みが不安な方にも安心して受けていただけます。必ずクリニックなどの医療機関で施術を受けましょう。
がん治療による脱毛の対策として医療アートメイクも選択肢に入れてみて
本記事ではがん治療によって脱毛が起こる原因や、がん治療による脱毛の対策を紹介しました。
がん治療を終えた後の見た目の変化による精神的な負担や、治療前の見た目の変化に対する不安は大きなものです。しかし昨今は治療だけではなく、見た目に対する精神的なケアとして、さまざまな選択肢が増えてきています。
不安を解消する選択肢の1つとして、医療アートメイクも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
現場で看護師としての経験も重ねてアートメイクの施術経験も豊富な、おまもりアートメイクの看護師へまずは一度相談してみてください。