おまもり認定アートメイク看護師とは、高度なアートメイクの技術を提供できる、いわゆるベテランのアートメイクアーティストと呼ばれる存在です。
アートメイクだけでなく抗がん剤などの知識もあり、安心して施術を受けられる存在でもあります。がん治療を受けている・控えている方の中には「脱毛について心配している」「対策に悩んでいる」という方もいるのではないでしょうか。
そんな方々へ向けて、おまもりアートメイクでは東京都港区でアートメイクアーティストとして活躍する
岡田茉莉さんを紹介していきます
東京都港区で悩みを抱えている、もしくはその他の地域でもアートメイクに関心のある患者さんは、ぜひ参考にご覧ください。
おまもり認定アートメイク看護師 岡田茉莉さんのご紹介
<SNS情報>
岡田さんインスタグラム
https://www.instagram.com/artmake_mari/
新橋メディカルアートクリニック
https://ikumore.com/
―これまでの経歴や現在所属している病院・クリニックなどを含めた自己紹介をお願いいたします。
[岡田]
2014年に看護師免許を取得後、都内総合病院のICU/CCU、放射線治療部にて3年勤務しています。
その後、都内の美容皮膚科にて2年勤務を経た後、大手アートメイク専門クリニックにて3年半勤務しており、4千例以上の施術をしてきました。
(左:施術中の岡田茉莉さん)
ー都内の美容皮膚科で働かれていた際は、アートメイクはされていなかったんでしょうか。
[岡田]
そうですね。そこでは主にいわゆる肌管理をメインに行っていました。
ーその後アートメイクの専門クリニックで働かれたとのことですが、きっかけは何だったんでしょうか。
[岡田]
当時働いていた美容皮膚科の同僚が、毛並みのアートメイクをしていたのを見て「いいな」と感じたのがきっかけです。紹介してほしいという話をして行ったら、働く側の話になっていて(笑)。
ー偶然アートメイクをする側になったということですね。
[岡田]
思いがけず紹介で働くことになったので、偶然という形です。ただ、そのアートメイク専門のクリニックでは、アートメイク看護師として活躍しているスタッフが多数在籍していて、向上心の高いスタッフも非常に多く、幅広い知識や高い技術を習得することができました。当時一緒に働いていた看護師さんたちは、現在独立されて活躍されている方も多いです。
そして、私も2022年10月にアートメイク専門看護師として独立しました。現在は眉アートメイク専門看護師として、新橋メディカルアートクリニックと聖マリアンナ医科大学付属クリニックにて眉毛のアートメイクに特化した専門看護師として活動しています。
◼️おまもりアートメイク(弊社団)へ加入したきっかけや当時の思いを教えてください。
[岡田]
実はおまもりアートメイクをやられている石原さんと、前院で同時期に在籍して働いていて。そのアートメイク看護師仲間である石原さんの紹介で、おまもりアートメイクに加入しました。
放射線治療などの現場でがん治療をされる患者さんとは関わってきましたが、当時は「アピアランス」という言葉を知りませんでした。これまで多くの施術をしてきたアートメイク専門のクリニックでは、がん治療をされて数年が経った方などは来院されていましたが、治療中という状況ではお断りしていたので関わったことがありませんでした。
ただその言葉を知った時に、これまでの眉アートメイク専門看護師としての5年間の経験と、放射線治療の専任看護師として勤務していた経験を活かして、アピアランスケアを必要とされる方の力になりたいと考えました。
また、患者様のお悩みやご不安が少しでも和らぎ、アートメイクが1つの選択肢となれるお手伝いができたらとも考えていました。
抗がん剤治療をされて脱毛を経験された方と関わった中でのエピソード
■実際に抗がん剤治療をされて脱毛を経験された方と関わった中でのエピソードで、印象的なものについて差し支えのない範囲で教えてください。
[岡田]
初めてアピアランスケアとして対応した患者様のエピソードです。
1回目は抗がん剤治療前に娘様とご来院されましたが、とても緊張されていたご様子でした。眉は元々左右差があり、普段のメイクも大変であったとのこと。それに加えて、抗がん剤治療により毛髪の脱毛だけではなく、眉も抜けると知って、困っていたところ、アートメイクを教えてもらってすぐにお申込みしてくださった患者様でした。
ご来院時の印象は身なりが綺麗に整えられていて、オシャレが好きであることがわかりました。不安気な表情ながらも娘様が側にいること、一緒にデザインを見て提案してもらうことで自然と緊張がほぐれていきました。
ー娘様もご一緒におられたとのことで安心されたんですね。
[岡田]
そうですね。基本的に、カウンセリング後のデザインや施術中は同席をお断りしているところが多いと思いますが、娘様の同席はOKで、さらに個室のような環境で、周囲に他の患者さまがおらず気兼ねなくお話しできる環境でした。
施術終了後は、やって良かったと笑顔で終話。しかし私は安堵できず、アピアランスケアとしての経験が浅かったため、様々な不安を感じていました。
ー例えばどのような不安でしょうか?
[岡田]
そもそも抗がん剤がなかったとしても、ご希望を叶えることが難しい症例でした。1つは再現性の難しさです。左右差が著明であったり抗がん剤の影響による毛質の変化などから再現性の難しさを感じており、ご本人の理想がアートメイクでナチュラルに再現できるのかという点です。
次に予測されるリスクの説明をしつつ、相談しながら折り合いをつけて同意いただける位置に着地しましたが、定着×脱毛から想像されるデザイン、有用性への疑問も感じていました。
そしてそもそもこの状態でアートメイクを提供していることへの罪悪感や、果たして患者様の期待をこえられているのかどうかの不安もありました。
ーさまざまな不安を抱えられていたんですね。
[岡田]
2ヶ月後に来られるまで、お会いすることも連絡を取ることもなかったので、考え出したら疑問の数々が止まりませんでした。
2ヶ月後、2回目は抗がん剤治療中にお一人でご来院されました。脱毛が始まり、ウィッグと帽子をかぶっておられました。眉毛の印象の変化は少なく、アートメイクをしていて良かったと言ってくださっていて。1回目の様な緊張感やご不安な印象はなく、こうしたいなどのご要望や、たくさん治療経過のお話をいただけました。患者様の姿と言葉で安堵した瞬間でした。
ー不安を抱えて来院されていた患者さまが2ヶ月後の来院ではご要望を話されていたり、治療経過を話してくださったり、きっと患者さまもアートメイクを受けてよかったと感じられたんですね。
[岡田]
この2か月、患者様のお悩みやご不安を和らげる目的の一つとして選んだアートメイクが、やらなければ良かったと後悔になっていたらどうしようかと不安な日々でした。
アートメイクはかけがえのないお顔に施していくことになります。お顔の印象を左右し、お肌に残るものです。抗がん剤治療による脱毛とアートメイクの定着イメージ、また抗がん剤終了後のアートメイクと発毛をイメージすることの難しさを感じました。
病は人生において記憶に残る出来事であり、治療期間だけの一時的になものではなくて、長くお付き合いしていくものになるので、アートメイクが心の傷にならない様にしたいと思った事例となりました。
東京都港区でのアピアランスケアの現状について
■地域でアピアランスケアやアートメイクの認知度に関して感じる課題感などあれば教えてください
(実情や壁と感じている点など)
[岡田]
新橋メディカルアートクリニックでは、2024年6月から本格的にメニューとして導入しました。
予約はアピアランスに特化した問診票やご案内で専用化することで安全性を高め、安心して選んでいただけるようにする形です。ただ開始したばかりであり、現時点では認知度は低いですね。どういった形でアプローチするべきかは課題ではあります。SNSなどでの発信などが、良いのかなと考える一方で、すごく強く個人として宣伝していくのも抵抗感を感じていて…。
ーSNSで宣伝していくというよりは他の方法の方が岡田さんとしてはしっくりくる印象でしょうか。
[岡田]
そうですね、おまもりアートメイクさん側からの紹介で来院された患者さまもいらっしゃったりしますので、そういった方から徐々に広がっていく口コミのような形であったり、おまもりアートメイクのサイトから知ってもらったり。
そういった自然な形で徐々に広がっていくのが自然なのかなとも感じています。
ー個人ではなくおまもりアートメイクのおまもり認定アートメイク看護師さん、という形で広まっていくのも患者さま側からも安心できそうですね。
(右:乳がん抗がん剤後の方の症例写真)
おまもり認定アートメイク看護師として・アートメイクアーティストとしてのアピアランスケアに対する思い
■おまもり認定アートメイク看護師として・アートメイクアーティストとしてのアピアランスケアに対する思いを率直に教えてください。
[岡田]
私自身はがん治療の経験はありません。ですが、がんやさまざまな病気は生きていれば誰にでも起こる可能性があることです。特に抗がん剤治療を受ける場合、副作用である脱毛は、髪の毛だけでなく、お顔の印象にとても重要な「眉毛」にも影響することになります。
アピアランスケアという点への思いとしては、かけがえのない大切なお顔や表情が守れるように、看護師として治療を決断した方へ、アートメイクが選択肢の1つとなれるのであれば力になりたいと考え施術を提供しています。
ただアピアランスという点だけではなく、その前後も大事と考えています。アートメイク専門看護師としてはその部分しか関わりはありませんが、患者さまとしてはもちろんその前後の姿も存在します。
ー前後というのは治療が始まる前や治療後のことでしょうか。
[岡田]
そうです。そのような部分で、がん治療が始まる前の不安感や、治療後の経過への不安感を含めて、全体としてケアに関わっていくものだと考えています。
ー放射線治療の場面で活躍されていたご経験からの視点ですね。きっと患者さまも安心されると思います。
■今後のビジョンや展望などはありますか?(抗がん剤治療をする方へさらに取り組みを伝えていきたい など)
[岡田]
まずは患者様だけでなく、医療現場でも興味を持ってもらえるように、知ってもらえるように活動したいと考えています。医療アートメイクは怖いものではありません。でも活動していると、世間や社会の目にうつるアートメイクに対しての印象は恐怖や不安が強いと感じます。「医療アートメイク」と医療とついているが、タトゥーでしょ?と言われることもあります。
ー医療者同士でもまだまだ認識に相違がありますね。
[岡田]
必ず医療者皆が分かり合えるものではないとしても、アートメイクの良さをシェアして、少しずつでも馴染むように努力し続けたいと考えています。そして医療アートメイクが区別(特別視)されるものではなく、自然と生活の中にあるものへ繋げていきたいと考えています。
ーがん治療においてウィッグなどは自然と提案されたり選択したりされていますよね。ウィッグのような存在は「自然」とも感じます。
[岡田]
確かにそれくらい特別視されない、選択肢になってもらえたら良いなと感じます。
(左:乳がん抗がん剤治療前の方の症例写真)
最後に患者さんへの思いを一言
■最後に抗がん剤治療を受けられる患者さん、そしてアートメイクに関心を持っている患者さんに対してメッセージをお願いいたします。
[岡田]
ここまで読んでいただきありがとうございました。病は人生を大きく変える出来事の1つです。ご自身がかつて経験したことのない事が起きた場合、心身への影響は計り知れないものがあります。
これまでの生活の中に治療が加わり、身体的変化が現れると、ご自分だけでは解決できない事が訪れることがあります。そんな時はまず、お話だけでもどうぞ。ご不安やストレスに感じることが明確になり、次に進むきっかけ(相談窓口)となり少しでもサポートできたら幸いです。
そして、アートメイクが選択肢の1つにあるということ。治療に伴う変化に対してだけでなく、治療後の人生においても受けてくださる皆様のお守りになりますように。
ー医療アートメイクを知ってくださった方、そして岡田さんのカウンセリングを受けてくださった方が、選択肢としてアートメイクを心に持っておいていただけるのが「おまもり」といえますよね。
ありがとうございました。
東京都港区 岡田茉莉さんにアートメイクの相談をしたい方
岡田さんにアートメイクの相談をしたい方は、下記インスタグラムからDMを送ってください。
<SNS情報>
岡田さんインスタグラム
https://www.instagram.com/artmake_mari/
新橋メディカルアートクリニック
https://ikumore.com/
他エリアを含めて、よりゆっくり相談をしたい方は、おまもりアートメイク専用のLINEにご登録ください。相談窓口をご用意しております。
取材したライター
鬼頭 怜那 -Rena Kito-
(正看護師・産業心理カウンセラー)
小児科総合病院の産科に就職。障害を持って生まれる胎児を身篭る母体の管理の病棟で勤務後、翌年精神科病棟の急性期、慢性期で勤務。
さまざまな精神疾患の患者の看護や薬理病理の勉強、身体疾患の患者も多く全身管理も行う。
その後精神科特化の訪問看護ステーションにて勤務。地域で生きる精神科疾患の患者の看護と地域連携、他職種連携を行う。
現在は看護師ライターとして医療記事の執筆や編集を行っている。