がん治療の平均費用の総額はどれくらい?治療にかかる費用の内訳を解説

がん治療を控えている方は、治療にかかる費用の総額や内訳が気になるという方も多いでしょう。
治療に対する不安も抱える中、経済的な負担も心配という方は少なくないでしょう。
本記事では、がん治療の平均的な費用の総額はどれくらいなのか、費用の内訳はどれくらいなのか解説していきます。
※ただし費用については大きく個人差があるため、参考程度にご覧ください。
がん治療でかかる費用の内訳

がんの治療はどんな治療を受けるか個人差がありますが、厚生労働省の令和4年度資料を元にした入院治療、通院治療の費用の大まかな内訳は下記の通りです。
種類別 | 入院治療の平均費用 | 通院治療の平均費用 |
胃の悪性新生物(胃がん) | 約68,887円 | 約4,871円 |
結腸の悪性新生物(結腸がん) | 約67,996円 | 約4,508円 |
直腸S状結腸移行部及び直腸の悪性新生物(直腸がん) | 約79,179円 | 約6,056円 |
肝及び肝内胆管の悪性新生物(肝臓がん&胆管がん) | 約67,305円 | 約10,970円 |
気管、気管支及び肺の悪性新生物(肺がん) | 約73,393円 | 約10,729円 |
乳房の悪性新生物(乳がん) | 約61,833円 | 約5,859円 |
子宮の悪性新生物(子宮体がん・子宮頸がん) | 約67,796円 | 約3,714円 |
悪性リンパ腫 | 約120,074円 | 約7,955円 |
白血病 | 約182,590円 | 約9,807円 |
良性新生物&その他の悪性新生物 | 約59,267円 | 約2,007円 |
※小数点以下切り捨て
※引用:厚生労働省「医療給付実態調査 令和4年度の疾病分類別、診療種類別、制度別 件数・日数(回数)・点数(金額)」をもとに作成
上記の表から、入院治療の平均費用は約6万〜8万円程度、悪性リンパ腫や白血病の場合は約10万〜20万円程度とわかります。通院治療の平均費用は、約4,000〜1万円程度、悪性リンパ腫や白血病の場合は約8,000〜1万円程度となっています。
それぞれ入院と通院の平均費用はがんの種類だけでなく、入院の場合は入院日数、行う検査、治療や使用する薬剤によって異なりますが、大まかな費用感として知っておくと良いでしょう。
がん治療の費用を抑える方法

がん治療の費用について、少しでも抑えたいと感じる方もいるかもしれません。
がん治療の費用を抑えるためには利用できる制度を活用することで、自己負担額を抑えられる場合があります。
利用できる可能性がある制度は下記の通りです。
- 傷病手当金
- 高額療養費制度
- 医療費控除
- 民間のがん保険(加入していた場合)
傷病手当金
傷病手当金は、これまで仕事をしていた方がもらえる場合があります。病気の療養を理由として働けなくなった場合、働けなくなった日から3日経過後から、働けない期間の間給付されます。
支給期間は給付開始日から通算して1年6か月間とされており、入院や通院、体調不良を理由に働けなくなった方にとっては助けになる制度といえるでしょう。
高額療養費制度
高額療養費制度は医療費による家計の負担を軽減するための制度です。病院や薬局で支払う医療費が一定以上の金額を超えた場合、超えた額を支給してもらえます。
上限は年齢や所得金額によって異なるため、気になる方は自治体の保健課や福祉課へ相談すると良いでしょう。
参考:厚生労働省「健康・医療高額療養費制度を利用される皆さまへ」
医療費控除
医療費控除は1年間に支払った医療費から、所得を加味した計算式で計算した金額の控除を受けることが可能です。(最高200万円まで)
確定申告時に書類による申請が必要で、医療費の領収書を保存しておく必要があります。
医療費控除を受けたいと検討している方は、領収書を管理しておくようにしましょう。
参考:国税庁「医療費控除を受ける方へ|令和6年分 確定申告特集」
民間のがん保険
民間のがん保険に加入していた方の場合、加入していた保険の内容に応じて治療や生活にかかるお金をサポートしてもらえる可能性があります。
ただし基本的にがんと診断されてから保険に入れる可能性は低いため、元々加入していた方が受けられる支援となります。
がん治療の前後にかかる費用

がん治療中にかかる費用を解説してきました。治療中だけではなく主に外見や生活の質に関わるものとして、がん治療の前後にかかる費用もあります。
最後にがん治療の前後にかかる可能性がある費用について解説していきます。
- ウィッグや帽子
- 低刺激のスキンケア用品やメイク用品
- 医療アートメイク
がん治療の経過の中では、吐き気や倦怠感などの体調不調、頭髪だけではなく眉毛やまつ毛、髭などの脱毛や皮膚の乾燥など、さまざまな副作用が生じます。
治療後は予測できない体調不良が生じている可能性もあり、日常生活への復帰が難しい可能性もあるため、なるべく治療前に用意しておくと良いでしょう。
乾燥したり傷つきやすくなった肌への刺激を抑えるために低刺激のスキンケア用品やメイク用品を用意しておいたり、脱毛に備えてウィッグや帽子を購入しておいたりするのも治療前後にかかる費用となるでしょう。
また、主にがん治療の前におすすめなのが医療アートメイクです。
医療アートメイクは、皮膚の浅い層に色素を入れて眉やアイラインを作る施術です。
がん治療後に脱毛した後の、見た目の変化による精神的な苦痛を緩和できるだけではなく、脱毛後のメイクのガイドラインにもなります。
また治療前だけではなく、医師の許可を得た上で抗がん剤治療後の施術も可能な場合があります。まずは治療前後ともに、治療を受けている医師へ医療アートメイクを受けても良いか相談してみましょう。
他にもがん治療前にやっておいた方が良いことや、治療中にやってはいけないことが知りたいという方は、下記の記事もご参考にしてください。

がん治療の前後の選択肢として医療アートメイクも検討してみて
がん治療はさまざまな費用がかかり、経済的な負担が気になっている方も多いかもしれません。
しかし制度を活用することで、負担を軽減できる可能性もあります。
また治療中の費用だけではなく、治療後の生活の質を考えた際に検討したい選択肢もいくつかあります。
医療アートメイクもがん治療による脱毛の対策として、がん治療前後の選択肢にご検討ください。
まずは医療アートメイクについて気になる方は、まずはおまもりアートメイクの看護師へ相談してみてはいかがでしょうか。
気になる方は下記からご相談ください。
おまもりアートメイクLINE
https://liff.line.me/1645278921-kWRPP32q/?accountId=485xeove
取材したライター

鬼頭 怜那 -Rena Kito-
(正看護師・産業心理カウンセラー)
小児科総合病院の産科に就職。障害を持って生まれる胎児を身篭る母体の管理の病棟で勤務後、翌年精神科病棟の急性期、慢性期で勤務。
さまざまな精神疾患の患者の看護や薬理病理の勉強、身体疾患の患者も多く全身管理も行う。
その後精神科特化の訪問看護ステーションにて勤務。地域で生きる精神科疾患の患者の看護と地域連携、他職種連携を行う。
現在は看護師ライターとして医療記事の執筆や編集を行っている。