脱毛症の治療方法とは?脱毛症の種類とそれぞれの原因、脱毛症への対処法も解説

脱毛症はさまざまな原因により生じるもので、老若男女問わず起こりうるものです。

脱毛症と耳にしたことがあっても、具体的にどんな治療をするのか、そもそもどんな種類の脱毛症があるのか知らないという方もいるかもしれません。

本記事では脱毛症の治療方法や、脱毛症の種類を紹介します。

また治療以外の脱毛症への対処法として、アピアランスケアの選択肢である医療アートメイクについても触れていくため、関心がある方はぜひ最後までご覧ください。

目次

脱毛症の種類

まず脱毛症と一口にいっても、さまざまな脱毛症が存在します

ここでは脱毛症の種類とそれぞれの症状について紹介します。

  • 円形脱毛症
  • 男性型脱毛症
  • びまん性脱毛症
  • 分娩後脱毛症
  • 薬剤性脱毛症

参照:ファイザー 円形脱毛症.jp「円形脱毛症とは」

参照:日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」

円形脱毛症

円形脱毛症は、文字通り円形や楕円形に脱毛が生じる脱毛症です。円形脱毛症の原因は、体を守る役割のはずの自己免疫が、自分自身を攻撃してしまうことによって生じるとされています。

円形脱毛症の中にも症状の程度や脱毛が生じる場所などによって種類があり、下記の4つにわけられます。

種類特徴
通常型円形脱毛症(単発型・多発型)1箇所単発で円形に脱毛するか、多発的(2箇所以上)に円形の脱毛が生じる
蛇行型円形脱毛症生え際が蛇のように蛇行して広がって脱毛する
全頭型円形脱毛症頭髪全体が脱毛する
汎発型円形脱毛症頭髪だけではなく眉毛や髭など体毛も脱毛する

これらは生まれつきではなく、突然症状がみられるもので、専門医による治療を受けてもすぐに改善せず、またよくなっても再度悪化する場合もあります

男性型脱毛症

男性型脱毛症は、前頭部や頭頂部の髪が脱毛しやすくなる脱毛症です。思春期以降の男性にみられやすく、成長と休止を繰り返す頭髪の成長期間が短くなり、休止期間のままの頭髪が多い状態になります。

徐々に成長期が短くなる関係で、前頭部や頭頂部の頭髪が弱くなり皮膚の表面に現れなくなります。

年齢を重ねるにつれて発生率は高くなっていくものの、特に日本人の男性は20歳代後半から30歳代にかけて症状が出現するケースが多いです。

発症には遺伝と男性ホルモンが影響すると考えられています。

びまん性脱毛症

びまん性脱毛症は、女性にみられやすい脱毛症で若い女性にもみられやすい脱毛症です。

「びまん」は、「一面に広がる」という意味の言葉で、言葉通り全体の頭髪が薄くなったりボリュームが減ったりして脱毛が進みます。

30代後半から増加すると考えられていますが、過度なダイエットや栄養不足が原因、女性ホルモンの変化などの影響で20代から症状がみられる方もいます。

びまん性脱毛症について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

あわせて読みたい
びまん性脱毛症とは?女性に起こる特徴や原因を解説します 脱毛症というと「薄毛」など、男性が発症するイメージが強い方も多いのではないでしょうか。 びまん性脱毛症は、男女ともに起こる症状ですが、特に女性に多く見られるも...

分娩後脱毛症

分娩後脱毛症は、出産後に大きな女性ホルモンの変化が起こることで生じる脱毛症です。全体的な髪のボリュームが減ったり、つむじの頭髪が薄くなったりします。

一般的に産後2〜3か月で脱毛が生じるケースが多いと考えられており、徐々にホルモンバランスが整うに連れて、毛周期が元に戻り、頭髪が生えてくるケースも多いです。

分娩後脱毛症について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

あわせて読みたい
分娩後脱毛症とは?産後に起こる脱毛の原因を解説 分娩後脱毛症は妊娠出産によるホルモンバランスの変化による女性特有の脱毛症です。 どのようにホルモンバランスが女性の体内に影響し、脱毛につながるのでしょうか。 ...

薬剤性脱毛症

薬剤性脱毛症は、さまざまな病気の治療で使用する薬剤の影響によって脱毛が生じるものです。

脱毛の要因となる薬剤は、主に抗がん剤が挙げられます。脱毛は全体的に広がり、頭髪だけではなく眉毛やまつ毛なども脱毛するケースも多く、精神的なショックを受ける方も少なくありません。

他にもパーキンソン病の治療薬や抗血栓薬、非ステロイド系抗炎症薬や抗うつ薬など、さまざまな病気の治療薬が原因で、脱毛が生じると考えられています。

詳しく薬剤性脱毛症について知りたい方は、下記の記事もご参考にしてください。

あわせて読みたい
薬剤性脱毛症とは?要因と改善方法を解説 突然毛が抜ける脱毛症にはさまざまな要因があります。 その中でも薬剤性脱毛症は、主にがんなどの病気の治療で使用する薬剤の副作用から起こるものです。 今回はそんな...

参照:北里大学「毛包幹細胞から考える薬剤性脱毛症の病態」

脱毛症の治療方法とは?

ここまで主な脱毛症の種類について解説してきましたが、具体的にどのように治療を進めるのかイメージがつかない方もいるかもしれません。

基本的にはどの脱毛症でも皮膚科や専門医を受診し、指示通りの治療を受けるのが先決です。

ここでは一般的に選択されやすい治療方法について解説していきます。

  • 内服薬や外用薬による治療
  • 局所治療
  • 光線療法
  • 自毛植毛
  • 生活習慣の改善

内服薬や外用薬による治療

体への負担が比較的少ない点から、発毛を促進する内服薬や外用薬による治療を選択する場合が多いです。

使用する薬は脱毛症の種類によって異なります。例えば円形脱毛症の場合、JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬という薬を使用する場合があります。これは自己免疫による毛包(毛の細胞)への攻撃を防ぐ効果が期待でき、発毛も期待できる薬です。

他にもアトピー性皮膚炎が要因と考えられる脱毛症の場合は、抗アレルギー薬を使用したり、痒みや赤みなどの炎症が強い場合はステロイド治療薬や外用薬を使用する場合もあります。また内服や外用薬ではありませんが、同じステロイドによる治療の1つとして、急速に脱毛が進行するケースではステロイドパルス療法という大量のステロイドを点滴で投与する治療が行われる場合もあります。

局所治療

局所(部分的)で脱毛が生じている場合に選択されることがある治療方法です。

脱毛している部分に注射をして発毛を促す効果が期待できます。

他にも局所免疫療法といって、脱毛が生じている部位にあえて炎症が起こる薬を塗布し、発毛効果を期待する「SADBE(サドベ)療法」というものも存在します。

光線療法

赤色LEDを照射して細胞を活性化させて、発毛を促進させる効果を期待する治療方法です。内服や注射など、薬に抵抗感が強い方や痛みに不安を感じる方でも選択しやすい治療方法です。

また他の内服など治療とも合わせて受けられるため、さまざまなアプローチで効果が期待できます。

自毛植毛

自毛植毛は、自分の頭皮ごと薄くなっている箇所に植毛する手術治療で、男女ともに有効な方法とされています。

ただし植毛しても髪が定着せずに抜けてしまう可能性もあるため、医師の指示に従ってケアを行う必要があります。

生活習慣の改善

さまざまな治療方法を解説してきましたが、脱毛症の原因は生活習慣にある可能性もあります。

不規則な睡眠や乱れた食生活など、改善できるところから生活習慣を改善してみてください。血流が改善されると、毛根の細胞にまで正しく栄養が行き渡るようになり、脱毛症の症状が改善する可能性も期待できます。

眉毛の脱毛に悩んだ時は医療アートメイクも選択肢に入れてみて

脱毛症では、頭髪だけではなく眉毛やまつ毛、髭などの毛も抜けるものがあります。

眉毛の脱毛は顔の印象を大きく左右するため、精神的に強いショックを受ける方も少なくありません。

また、今後症状が進行して眉毛の脱毛が生じるのではないかと不安を抱えている方もいるでしょう。眉毛の脱毛が生じてもショックを受けないために、医療アートメイクを選択肢に入れてみるのはいかがでしょうか。

医療アートメイクは皮膚の浅い層に色素を入れて、眉やアイラインを作る施術です。脱毛後の容姿の変化に対する精神的な負担を抑えられ、メイクのガイドラインにもなります。

おまもりアートメイクでは、高度な技術と知識を持ったおまもり認定アートメイク看護師をご紹介しています。

おまもりアートメイク
おまもり看護師の紹介 - おまもりアートメイク 東京都 石原 ほのか Honoka Ishihara 鵜澤 美保 Miho Uzawa MARI / 岡田 茉莉 Mari Okada 石原 ほのか Honoka Ishihara MARI / 岡田 茉莉 Mari O […]

脱毛症の症状に不安を抱えている方は、おまもりアートメイクの看護師へ一度相談してみてください。

https://liff.line.me/1645278921-kWRPP32q/?accountId=485xeove


鬼頭 怜那 -Rena Kito-

(正看護師・産業心理カウンセラー)

小児科総合病院の産科に就職。障害を持って生まれる胎児を身篭る母体の管理の病棟で勤務後、翌年精神科病棟の急性期、慢性期で勤務。

さまざまな精神疾患の患者の看護や薬理病理の勉強、身体疾患の患者も多く全身管理も行う。
その後精神科特化の訪問看護ステーションにて勤務。地域で生きる精神科疾患の患者の看護と地域連携、他職種連携を行う。
現在は看護師ライターとして医療記事の執筆や編集を行っている。


目次