がん治療の流れとは?診断を受けてからの治療の流れを解説

がんの診断を受けてから、治療を受けるまでや治療中、治療後の流れについて気になっている方もいるでしょう。
ご本人だけではなく、ご家族の方も今後の生活への大きな不安や心配を抱えているかもしれません。
本記事では、がん治療の流れについて、診断を受けてから治療までの流れや、化学療法と放射線療法の2種類に分けた治療中の経過、治療後について解説していきます。
また治療が始まる前にやっておいた方が良いことも紹介するため、ぜひ参考にしてください。
がん治療の流れとは?

がんの診断を受けてからの治療の流れを下記にわけて解説していきます。
- 診断を受けてから治療開始まで
- 治療開始から治療終了まで
- 治療終了後
それぞれのご自身の状況に合わせてご覧ください。
診断を受けてから治療開始まで
がんと診断を受けてから、大きなショックを感じて、今後の経過や治療スケジュールについて聞けていなかった方も多いかもしれません。
個々の症状やがんの進行度、治療の種類によって個人差はありますが、一般的な治療開始までのスケジュールは下記の通りです。
- レントゲンやMRIなどいくつかの検査を受けたあと診断が確定
- 医師が現在のご本人の症状に合わせて治療方針を決めて伝える
- 家族や支えてもらえる周囲の方と相談しながらスケジュールを決める
- 治療法を確定し治療開始
医師により治療方針が定められますが、当事者の方やそのご家族などのご要望も伺いながら、最良の治療方法を選んでいきます。もし医師の説明に納得できなかった場合、セカンドオピニオンといい、他の病院の医師から意見を伺うのも可能です。
主に治療法は下記の3つに分けられます。
- 手術によるがんの切除
- 抗がん剤による薬物療法
- 放射線治療
このどれか、もしくは組み合わせによる治療を決め、治療を開始していきます。
治療開始から治療終了まで
前述の3つの中から治療を開始していきます。手術以外の薬物療法と放射線治療についてスケジュールをみていきましょう。
まず、薬物療法は点滴や薬の内服によって、がんの進行を遅らせるのを目的とした治療法です。抗がん剤を使用した化学療法や、特定のがんに関わる分子を狙って治療を行う分子標的療法、免疫の力を借りるがん免疫療法などがあります。
特に抗がん剤を使用した薬物療法である化学療法は、高い効果が期待できる点から選択される場合が多い傾向にある治療方法です。
化学療法は1回きりで終わるものではなく、治療スケジュールを立てて行っていきます。なお治療におけるスケジュールでは、治療し続けるわけではなく、12日間の休み期間を挟むなどして、何クールかに分けて治療を行っていきます。3週間から4週間ほどを1クールとして、計4回から6回ほど治療を行うケースが一般的です。
しかし、症状の進行具合や、使用する薬剤によっては、年単位で治療を行う場合もあります。そのため、治療開始から治療終了までの期間は使用する抗がん剤や、薬物療法の種類によって大きく異なるといえるでしょう。
次に放射線治療についての治療経過です。
放射線治療は放射線によってがん細胞を破壊するために行われる治療ですが、レントゲンなどと同様に照射する時に体に痛みはありません。
ただし、照射後に副作用として、皮膚の痒みや赤み、皮膚炎や粘膜炎などが起きる可能性があります。そのため副作用の状況を見ながら照射を続ける必要があります。
放射線治療は月曜日から金曜日まで5日続けて行い、数週間から数ヶ月続けて治療を行います。放射線治療もご本人の症状やがんの進行状況によって治療方法が異なるため、大きく個人差があり、治療開始から治療終了までの期間の断定は難しい治療法です。
治療終了後
がん治療終了後はしばらく通院を続けて、がんの様子を見ていきます。
治療によってがんを除去した後でも、しばらくは転移や再発の可能性があります。治療が終了しても、定期的に通院しながら必要に応じて検査を行い、治療成果を確認していく必要があるでしょう。
がん治療が始まる前にやっておいた方が良いこと

ここまでのがん治療の流れについて解説しました。
がん治療は長期的に続くものが多く、治療が始まる前に何か準備しておいた方が良いことはあるのか気になっている方もいるかもしれません。
最後にがん治療が始まる前にやっておいた方が良いことを解説します。
主に下記がやっておいた方が良いことと考えられます。
- 活用できる助成制度の確認
- 入院に必要な持ち物を用意
- ウィッグの用意や医療アートメイクなど脱毛への対策
それぞれ解説していきます。
またやっておいた方が良いことだけではなく、治療中にやってはいけないことも気になる方は、下記の記事もご覧ください。

活用できる助成制度の確認
がん治療は高額になる場合が多く、経済的な不安を抱える方も少なくありません。
治療中や治療後は心身への負担から、なかなか自分で調べたり役所に話を聞きに行ったりするのが難しいという方もいるでしょう。
高額療養費制度など、利用できる可能性がある制度については、治療前に可能な限り情報を集めておくと、その後スムーズに申請ができるでしょう。
またご自身が入っているがん保険などの情報も、治療前に確認しておくと利用までがスムーズになります。
入院に必要な持ち物を用意
もし入院が必要な方であれば、入院に必要な持ち物を用意しておくと良いでしょう。
必要な持ち物は病院によって異なりますが、病院から必要な持ち物の一覧表などを渡される場合が多いです。
体調不良などの可能性を考えて、早めに用意しておくと良いでしょう。
ウィッグの用意や医療アートメイクなど脱毛への対策
主に抗がん剤治療や一部の放射線治療では副作用として、頭髪や眉毛、まつ毛、髭などの脱毛が生じるケースがあります。
抗がん剤の場合薬剤の使用後2~3週間で脱毛が開始するケースが多く、治療終了後は通常3~6か月、症状の回復が早い人の場合は2~4か月程度でうぶ毛のような髪の毛が生えてきます。1年でほとんどの人が回復するとされていますが、治療後の脱毛にはショックを受ける方も少なくありません。
また日常生活で不便を感じる方もいるため、脱毛後の対策としてウィッグや帽子を用意しておくのもおすすめです。
他にも脱毛の対策として医療アートメイクがあります。医療アートメイクは皮膚に色素を入れて眉やまつ毛を描く医療行為の1つです。
治療前に施術を受けておくと、治療後に脱毛が生じた後でも、お顔の印象が変化しづらく、精神的な不安や変化も緩和できます。
男女ともに受けていただける施術で、アピアランスケアの1つとして注目されています。

がん治療の流れを知って治療の準備をしたい方が医療アートメイクも検討してみて

本記事ではがん治療の流れと、治療前にやっておいた方が良いことを紹介しました。
医療アートメイクは、がん治療の前に行うのが推奨されていますが、治療中や治療後にも受けられる場合があります。(医療アートメイクを受ける場合は、どのタイミングであっても主治医の許可が必要です)
副作用の影響を考えると治療前の段階で受けるのがおすすめのため、治療準備の選択肢として、医療アートメイクを検討してみてはいかがでしょうか。
おまもりアートメイクでは治療中の方でも施術の対応を行える、高度な技術と知識を持ったおまもり認定アートメイク看護師をご紹介しています。

抗がん剤治療前に悩んでいる方は、おまもりアートメイクの看護師へ一度相談してみてください。
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取材したライター

鬼頭 怜那 -Rena Kito-
(正看護師・産業心理カウンセラー)
小児科総合病院の産科に就職。障害を持って生まれる胎児を身篭る母体の管理の病棟で勤務後、翌年精神科病棟の急性期、慢性期で勤務。
さまざまな精神疾患の患者の看護や薬理病理の勉強、身体疾患の患者も多く全身管理も行う。
その後精神科特化の訪問看護ステーションにて勤務。地域で生きる精神科疾患の患者の看護と地域連携、他職種連携を行う。
現在は看護師ライターとして医療記事の執筆や編集を行っている。