薬剤性脱毛症とは?要因と改善方法を解説

突然毛が抜ける脱毛症にはさまざまな要因があります。

その中でも薬剤性脱毛症は、主にがんなどの病気の治療で使用する薬剤の副作用から起こるものです。

今回はそんな薬剤による脱毛症がどのように起こるのか、どうしたら改善するのかを解説します。

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薬剤性脱毛症とは

薬剤性脱毛症は、病気の治療などに使う薬の副作用によって、全身の毛が抜けたり薄くなることをいいます。

脱毛が起こるのは毛髪だけではなく、眉毛やまつげ、鼻毛、体毛など全身に生じます。

代表的な例としては、抗がん剤の投与による脱毛があげられます。

抗がん剤は、がんによる悪い細胞の活性化を妨ぐ働きをしますが、がん細胞と同じように活発な分裂を繰り返す健康な細胞を見分けることができません。

そのため、特に活発な成長期の毛髪がターゲットになってしまい、細胞がダメージを受けることにより、脱毛に繋がります。

また、薬剤性脱毛症の原因となる薬剤は、抗がん剤以外にも抗うつ剤や、アレルギー治療薬などがあります。

治療に使用する薬剤によって、症状が起こるメカニズムや脱毛の症状が異なるため、詳しい原因を見てみましょう。

薬剤性脱毛症が起こる原因とは

抗がん剤による脱毛症

抗がん剤によって髪の毛が抜ける原因は、成長期脱毛が引き起こされるためです。

髪の毛は、生え始めてから抜け落ちるまでの間に、「ヘアサイクル」と呼ばれる決まった周期を繰り返しています。

  • 髪の毛の細胞が生まれてからぐんぐん伸びていく成長期
  • 成長が緩やかになる退行期
  • 成長が止まる休止期

と呼ばれる3つの時期を過ごします。

髪の毛一本一本にこのサイクルがあるため、通常であれば一気に抜け落ちることはありません。

しかし、抗がん剤を使った時にゴッソリと脱毛してしまうのは、このヘアサイクルの成長期に当たるときに髪の毛の成長が止まってしまうことが原因です。

抗がん剤は、特に細胞分裂の早いがん細胞を攻撃します。

成長期の毛髪は、体の他の部分よりも活発に細胞分裂を繰り返すという特徴から、毛母細胞がターゲットになります。

このことから、抗がん剤は悪い細胞だけでなく、正常な細胞にまで影響を及ぼすほど強い薬だと言えるでしょう。

成長期の毛母細胞がダメージを受けることで、通常のヘアサイクルとは異なる脱毛が起こることから、枕や些細な摩擦でゴッソリと抜け落ちてしまいます。

また、抗がん剤を原因とした脱毛は、一回目の治療開始後、2~3週間目から起こると言われています。

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抗がん剤以外による脱毛症

薬剤脱毛症の症状の中には、ゆっくりと進行していくために薬剤による副作用が起こっていると気づきにくい場合があります。

抗がん剤以外の薬剤による脱毛の場合、休止期脱毛が引き起こされ、全体的なボリュームが減るという症状が出ることが多く、ごっそり抜けるような分かりやすさはありません。

休止期脱毛とは、ヘアサイクルが乱れることで成長期が短くなり、毛髪が十分に成長しにくい状態です。

細いまま、自然と抜け落ちてから次に生えてくるまでの時期が長引くことで全体の毛量が少なく感じるでしょう。

また、複数の薬剤を使用している場合はどの薬剤が薬剤性脱毛症を引き起こしているのかが分かりにくいため、対策をとりにくい傾向があります。

薬剤性脱毛症を改善するには

薬剤性脱毛症は、原因となっている薬剤の使用をやめることで副作用もおさまり、再び髪の毛が生えてくることが多いとされています。

しかし、自身の判断で薬剤の使用を中止することは大変危険なため、症状が気になる場合は専門の医師に一度相談してみましょう。

抗がん剤にも種類があり、全ての抗がん剤で薬剤性脱毛症が起こるとは限りません。

自分が受ける治療ではどのような副作用が起こるのかを知り、理解していくことが大切です。

また、治療の負担に加えて、髪の毛まで失ってしまうことで悩んだり落ち込んだりする人は少なくありません。

しかし、投薬を中止すること以外にも自分らしさを諦めない工夫はできます。

たとえば、治療中から治療後に毛が生え揃うまでの間は、医療用のウィッグを着用することで、好きな髪型を楽しむことができます。

また、薬剤性脱毛症で抜けてしまうのは、毛髪だけではありません。

眉毛などが抜け落ちてしまった場合は、アートメイクをするなどの方法もあります。

詳しくは以下の記事をご覧下さい。

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薬剤性脱毛症を理解することが大切

薬剤性脱毛症は、薬剤の投与を中止することで改善します。

しかし、抗がん剤など継続的に投与する必要のある病気が多いため、決して自己判断はせず、気になる場合は必ず専門の医師に相談してみましょう。

また、治療に使う薬剤や副作用について事前に詳しく知っておくことで、脱毛対策もできます。

医療用ウィッグの用意や、アートメイクの施術を受けることで、治療で実際に副作用が起きたときにも大きく慌てることなく向き合えるでしょう。

治療に伴って発症する薬剤性脱毛症についてよく理解し、向き合っていくことが大切です。

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