脱毛症には、男性が悩む薄毛も含まれますが、薄毛以外にもさまざまな原因があります。
同じように見える脱毛症ですが、脱毛が起こる原因ごとに治療方法が異なるため、自己判断で処置をしていると悪化することもあるでしょう。
今回は、脱毛症の種類や原因とともに、それぞれの治療方法も解説します。
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男性に起こる脱毛症の種類と原因は?
男性に起こる脱毛症にはさまざまな種類があり、症状によって脱毛症の原因が異なります。
ここでは、脱毛症の種類ごとに原因を解説していきます。
円形脱毛症
円形脱毛症とは、楕円形で脱毛の症状が発症する後天性の脱毛症です。
症状としては、個人差はありますが、毛髪だけでなく、全身のあらゆる部位の毛が脱毛する場合もあります。
また、脱毛前に軽いかゆみや浮腫性の炎症症状が出ることもあります。
円形脱毛症の原因は、髪の毛の毛包に対する自己免疫疾患といわれています。
本来自己防衛のためにある免疫機能が正常な細胞を攻撃してしまうことが自己免疫疾患になります。
疲労やストレス、感染症などさまざまな原因で発症することがありますが、ほとんど原因は明らかとなっていません。
円形脱毛症は、進行スピードが早いうえに、自己免疫疾患との合併症となる可能性があるため、円形脱毛症の症状を発見したら自分で判断せず、すみやかに医療機関で専門医に相談しましょう。
男性型脱毛症
男性型脱毛症とは、毛が成長し生え変わるサイクルの中で、男性ホルモンの影響によって、前頭部や頭頂部の毛髪が薄く短くなってしまう症状です。
日本人男性の20代後半から30代にかけて発症する人が多くなり、症状は徐々に進行していくのが特徴です。
男性型脱毛症の原因は、男性ホルモンの役割や遺伝、ストレスなどがあるといわれています。
また、男性ホルモンの影響により、毛髪サイクルの成長期が短くなってしまう男性型脱毛症が多くあると言われています。
男性ホルモンは、骨や筋肉の発達を促す一方で、前頭部や頭頂部の髪の毛を柔らかくて細い毛にしてしまいます。
薬剤による脱毛
脱毛症の種類の中には、抗がん剤の使用による副作用としての脱毛症があります。
脱毛は、抗がん剤治療中に起こり、治療が終わってしばらくすると症状が落ち着くことが多いです。
自身の判断で薬剤の使用を中止することは大変危険なため、症状が気になる場合は自己判断せずに一度専門医に相談してみましょう。
抗がん剤はがん細胞だけではなく、新陳代謝の良い髪の毛の細胞にまで影響を及ぼしてしまうことがあります。
男性に起こる脱毛症の治療方法とは?
男性に起こる脱毛症には、種類によって高い効果が期待できる治療方法が異なります。
症状に合った適切な治療方法を選択することが、早期改善への近道となるでしょう。
円形脱毛症
円形脱毛症は自己免疫疾患の1つになるため、医療機関ではさまざまな治療方法の中から適切な治療方法を選択してくれます。
今回は、具体的な治療方法を4つ紹介します。
外用薬
外用薬では、ミノキシジルと呼ばれる脱毛症に効果的とされている成分が配合されたものを使用することが多いです。
症状のある部分だけに使用することができ、副作用も少ないため、治療の最初に使用されることが多いです。
内服薬
内服薬は、アレルギー反応を抑える抗ヒスタミンや血流促進作用の高いセファランチンなどが、円形脱毛症の初期症状に対して処方されることが多いです。
局所注射
局所注射とは、炎症や免疫機能を抑えるステロイドを局所に注射する治療方法です。
脱毛症の範囲が狭い場合に選択される治療方法になります。
局所免疫療法
局所免疫療法とは、年齢を問わず脱毛の症状が複数または広範囲にあるような重症度が高い症状に用いられる治療方法です。
脱毛している部分に化学物質を散布し、あえて炎症を引き起こす治療方法になります。
男性型脱毛症
男性型脱毛症では、円形脱毛症とは異なる治療方法がいくつかあります。順番に解説していきます。
薬剤治療
男性型脱毛症の薬剤治療には、男性ホルモンの役割による脱毛を防止するフィナステリドとデュタステリドが使われることが多いです。
高い効果が期待できる治療方法ですが、女性型脱毛症には行うべきではないとされています。
植毛
植毛は、男性型脱毛症の影響のない、後頭部から毛根を摂取し、症状のある範囲に移植する治療方法です。
1度植毛した部分からは、髪の毛が生えてくるため、男性型脱毛症の根本的な解決となります。
LED光治療
LED光治療として、脱毛の患部に対してLEDを照射し刺激を与える治療方法があります。
照射部位の頭皮が乾燥したり、かゆくなったりするなどの副作用の可能性がありますが、高い効果が期待できるでしょう。
メソセラピー
メソセラピーとは、注射器によって頭皮に直接薬剤を注入する治療方法です。
確実に患部の組織に対して、薬剤を浸透させることができるのがメリットで、注入する薬剤は症状やクリニックによって異なります。
また、針を使わない施術もあり、ノンニードル法やフラクショナルレーザー法と呼ばれています。
HARG療法
HARG療法とは、約150種類以上の成長因子を配合したHARGカクテルを使用する治療方法です。
日本医療毛髪再生研究会の認可を受けたクリニックにて治療を受けることができます。
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日常の対策で脱毛症を予防しましょう
男性の脱毛症には、日常の中である程度対策できる予防法があります。
ここでは、病院で行う対策と自分で行う対策に分けて紹介していきます。
病院で行う対策
病院で行う対策としては、ミノキシジルを配合している外用薬の使用と、フィナステリドとデュタステリドと呼ばれる内服薬が有名です。
これらの治療方法は一年間を通して行い、反応が良ければ継続して治療していきます。
自分で行う対策
自分で行う対策としては、頭皮の環境を良い状態に保つことが大切です。
シャンプーはしっかりと泡立て、シャンプーが残らないように丁寧にすすぐことで頭皮を清潔に保ちましょう。
さらに、頭皮マッサージで血行を良くすることも予防としておすすめです。
適切な治療で症状の改善を
男性に起こる脱毛症は、一見似たようなな症状でも、原因や治療方法が異なる場合があります。
たとえば、円形脱毛症と男性型脱毛症でも治療方法が異なります。
脱毛症は、専門医のもとでしっかりと原因を見極めてもらうことで、改善や予防が期待できます。
自分自身の脱毛症の症状に合わせた治療方法を選択できるように、自己判断ではなく、専門医に相談をしましょう。