抗がん剤の治療が決まったら、治療前に身の回りの準備をしましょう。
抗がん剤の治療が長期間に及ぶことや、副作用によって自分の体が思うように動かせない時期があるからです。
準備には仕事や入院に関しての手続き、または身の回りのことなどさまざまあり、準備をすることによって心配なく治療に専念できるでしょう。
まずは治療のスケジュールを確認する
がんと診断され、抗がん剤治療を行うことが決まったら、まずは治療スケジュールを確認しておくことが大切です。
- 治療期間
- 治療内容
- 入院は必要か
- どんな副作用がどれくらいの期間出るのか
- 仕事を続けることができるか
抗がん剤治療のスケジュールを確認し、治療期間の目安を把握することで、仕事の引き継ぎなどをスムーズに行うことが可能です。
また、抗がん剤の副作用によってこれまで通り仕事を行うことが難しい場面が出てくることもあるでしょう。
副作用の度合いにより、通院治療を受けるとしても、仕事を休む必要が出てくることも考えられます。
そのため、スケジュール確認とあわせて、どのような副作用がどれくらいの期間で出る可能性があるのかを確認しておくことが大切です。
ある程度の治療内容や期間などを事前に把握できると、会社での仕事の引き継ぎや相談がしやすく、家庭での子育てや介護などの対応も決めやすくなるでしょう。
仕事において会社と情報共有をする
がんと診断され、入院治療になる場合は、会社で自分が不在の間をカバーしてもらうため、引き継ぎが必要になることもあります。
また、仮に通院治療が可能でも、抗がん剤の副作用で体調が優れず仕事が難しくなる場合もあるので、治療期間はどのように仕事と向き合うか、自分の中で考えて結論を出しましょう。
仕事を可能な範囲で続けるということであれば、上司、同僚の協力が必要になります。
まずは上司に相談して、今後の働き方を一緒に考えることが大切です。
会社に病気のことを伝えるかどうかは、患者さん自身で判断できます。
主治医と話して、会社へ伝えずとも、治療を受けつつ仕事が継続できると判断した場合は、無理に伝えずとも問題ありません。
しかし、がんの治療期間や副作用の度合いにより、これまで通りに仕事をすることが難しい場合も出てきます。
上司に相談し、仕事量を調整してもらう、異動させてもらうなど、無理のない働き方ができるように打ち合わせましょう。
抗がん剤治療を行うために、どうしても入院が必要な時には、長期間休むことになると、上司に伝え、引き継ぎなど、必要な対応を行いましょう。
責任感が強い方ほど、会社に迷惑はかけられないと、何の相談もせずに退職されてしまうケースもあります。
しかし、がんの治療が終わり社会復帰する際に、1から新しい仕事を見つけることは負担が大きいでしょう。
もし可能であれば、現在の職場で仕事量の調整や休職など取り計らってもらえるよう相談することで、治療が終わった後も、スムーズに社会復帰できるはずです。
家庭において家族との家事分担を話し合う
病院へ入院して抗がん剤治療を行う場合、小さな子どもがいる場合もあれば、家族の介護を行っている方もいるでしょう。
また、家事の面で相談が必要なこともあるでしょう。
一人暮らしの場合と同居家族がいる場合それぞれのケースごとに詳しく解説します。
一人暮らし
がんと診断されたタイミングで一人暮らしの方の場合には、入院中の洋服の交換や必要な物を持ってきてもらうなど、入院中の面倒を見てもらうためのお願いをする必要が出てきます。
実家の両親など、入院中の面倒をお願いする方が遠方に住んでいると移動手段の手配など、準備にも時間がかかるため、早めにお願いするようにしましょう。
また、入院で長期間家を空ける際には、大家さんへ一言伝えておくことも大切です。
事情を伝えておけば、家を空けている期間の空き巣への対策など、さまざまな配慮をしてもらえるでしょう。
同居家族
家族がいる場合には、治療が大体どれくらいの期間かかるものなのか、副作用が出る場合には、どのような症状が出るのかなど、分かる範囲で伝えておくと良いでしょう。
通院で治療できる場合も、抗がん剤の副作用で動けなくなるときがあります。
これまで通り行えない家事も出てくるため、家事の分担についてよく話し合っておくことが大切です。
また、小さな子どもがいる家庭であれば、どこへ預けるのか、自分が入院している間に、面倒を見てもらう先について、調整しておく必要があるでしょう。
親の介護をしている方の場合であっても、施設に相談するのか、他に面倒を見られる親戚にお願いするのか検討する必要があります。
事前に相談して打ち合わせておくことで、安心して治療に専念できます。
仕事や家族のことを相談して治療に専念することが大切
抗がん剤治療を行う際には、入院が必要なこともあれば、通院で治療可能な場合もあります。
しかし、薬の副作用により、通院で治療できる際でも、仕事や家事など、今まで通りにできなくなることも出てくるでしょう。
病気について詳しく話すかどうかは、一人一人の考え方次第ですが、治療期間にどのような状況になるか、対応について相談しておくことは大切です。
また、入院が必要な場合には、長期間休むことになるため、仕事先や、住んでいる家の大家さんなど、連絡が必要なところへ一言伝えておきましょう。
仕事や家事について、事前に上司や家族と入念に話ができていれば、気兼ねなく治療に専念できるでしょう。