抗がん剤の治療が決まったら、治療前に身の回りの準備をすることで心配なく治療に専念できます。
抗がん剤の治療は長期間に及ぶことが多く、副作用や入院によって自分の体がしばらく思うように動かせなくなることが考えられるでしょう。
自分が動ける治療前だからこそ、できることがたくさんあります。
今回は、抗がん剤治療の前にやっておきたい準備の【体調・治療準備編】をご紹介します。
抗がん剤治療までに体調を整える
抗がん剤治療を始めると、薬の影響によって体内の白血球が減少するため、体の抵抗力が落ちます。
そのため、治療前よりも感染症にかかりやすくなります。
感染症を防ぐためには、規則正しい生活を送ることがなにより大切です。
抵抗力が下がった状態をカバーするために、重要なポイントは以下の3つです。
- 睡眠時間を確保する
- 食事のバランスを考える
- 口腔内を清潔に保つ
順番にご紹介します。
睡眠時間を確保する
仕事が忙しく睡眠時間が短めな状況であれば、仕事の調整を行い、十分な睡眠時間を確保するよう心掛けましょう。
また、飲酒と喫煙はなるべく控えましょう。
食事のバランスを考える
食事は栄養のバランスを意識して摂りましょう。
高カロリーのものばかりなど、過度に偏った食事は体調を崩す原因ともなるため、注意が必要です。
口腔内を清潔に保つ
さらに、うがいや手洗い、歯磨きは口腔内を清潔に保つだけでなく感染症の予防につながるので、日頃から徹底することが大切です。
見逃している虫歯などがないかどうか、抗がん剤治療を始める前になるべく歯科を受診し、口腔内の環境を整えておきましょう。
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抗がん剤治療と副作用の脱毛に向けての対策をとる
抗がん剤治療を受けると決まったら、事前にできる準備は順番に済ませておくと良いでしょう。
ここでは副作用による脱毛への対応や、入院する時にどのような準備が必要か、解説します。
副作用の脱毛に向けての対策
抗がん剤治療を行う際に使用する薬により、程度の差はありますが脱毛の症状が出る場合があります。
自分の治療に用いる薬の副作用で脱毛の症状が出ることが分かったら、医療用ウイッグや帽子の検討や試着をし、購入しておきましょう。
また、抗がん剤治療が始まる前に、髪を短くしておくことも大切です。
薬の副作用で脱毛が始まった際に、髪が長いと抜けた髪と絡まり、ほどけなくなることがあります。
そのような状況を防ぐために、治療前に髪をショート位の長さにしておくことがおすすめです。
髪の毛を治療に向け整える前に、前後左右からヘアスタイルや眉毛の位置を確認できるよう写真を撮ることをおすすめします。
写真を用意しておくことで、後からウィッグや眉毛のアートメイクを検討する際に、治療前の髪型や眉毛の位置を確認できるため、安心です。
抗がん剤治療による脱毛は髪だけでなく、眉毛が抜けてしまう場合もあります。
眉のアートメイクをすると、毎日メイクをしなくても良くなり精神的に楽になるため、抗がん剤治療前に施術を受けるのも良いでしょう。
ただし、アートメイクの施術を受ける前には必ず担当医に必ず相談し了承を得てからにしましょう。
入院する場合の準備
抗がん剤治療の内容により、入院が必要になることもあります。
入院の話が出たら、持っていくものや治療にかかる費用など、事前に準備が必要な内容を確認して準備を進めましょう。
入院中は薬の副作用の影響などにより、心身へ負担がかかりやすくなることが考えられます。
衣類や下着は締め付けの少ない、ゆったりしたものを選ぶことが大切です。
また、費用については必要以上に考えずに済むように、自分が加入している医療保険やがん保険の契約内容を確認しておきましょう。
事前に一度、保険会社への連絡を済ませておくと安心です。
会社の福利厚生、健康保険でサポートしてもらえる場合もあるので、可能な限り確認をしておくことで、費用に関わる負担を減らせるでしょう。
しばらくできないことを楽しむ
抗がん剤治療を始めると、体力や抵抗力が落ちるため、しばらくはできないことも出てくるでしょう。
前向きな気持ちで抗がん剤治療に臨めるよう、やりたいと考えていることはできる範囲で満喫しておくことをおすすめします。
美味しいご飯屋さんに行くことや、きれいな景色を見ること、また、家族とのちょっとした旅行などもいいでしょう。
趣味の時間を楽しんでおくことは、大きなエネルギーになります。
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万全の準備で抗がん剤治療に専念しましょう
抗がん剤治療を受けることが決まったら、まずは体調を整えることが大切です。
食事や睡眠、飲酒喫煙など、早いうちから生活習慣を見直して、改善していきましょう。
自分が動けるうちにウィッグや帽子、衣類などの、治療中に必要となるアイテムを直接試着、購入しておくと、治療中も安心して使用することができるます。
また、入院予定の場合は、タオルや歯ブラシなど、お気に入りの日用品を揃えることで、入院生活も少し気持が楽になるでしょう。
入院や治療に向けての準備がひと通りできたら、治療の前に、家族や友人との時間を満喫しておきましょう。
やりたいことを思うようにやれたという経験は、抗がん剤治療を前向きな気持ちで受けるための心の支えとなるはずです。