抗がん剤副作用の口内炎とは

抗がん剤の治療中に口内炎が起こると、痛みによって食事がとれず、体力が落ちることや、栄養不足から口内炎の治りが遅くなります。

また、口内炎に含まれる口腔乾燥も、治療中に不快感を感じるなど食欲衰退に大きな影響を及ぼす危険性があります。

一見身近な症状ですが、がんの副作用としての口内炎は厄介なため、口腔ケアは大切です。

今回は、基本的な口内炎症状から対処法まで幅広く説明していきます。

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抗がん剤副作用の口内炎の特徴

抗がん剤の副作用で起きる口内炎は、自然発生する口内炎とどのように違うのでしょうか? 

抗がん剤を使用した治療を行うことにより、薬による直接的な作用だけでなく、体の抵抗力が下がり細菌などに感染しやすくなるため、口内炎が発生しやすくなります。

口内炎は、抗がん剤治療を受ける患者さんの30~40%に発生する、比較的発生頻度の高い副作用です。

さらに重い症状が出ると、治療の継続に影響を与えることもあります。

治療に使用する抗がん剤の種類や投与量により、口内炎の症状の現れ方は異なります。

具体的な症状としては、以下のとおりです。

  • 炎症部位の痛み
  • 出血
  • 腫れ
  • 乾燥
  • 食べ物がしみる
  • 口が動かしにくくなる

口内炎の症状には食事に関係する症状も多くあるため、痛みなどにより食事意欲を損なうことがあり、なかなか食事が摂れない患者さんも多くいます。

口内炎は身近なものではありますが、食事が摂れないと栄養が不足してしまい、がん治療にも影響してくるため、甘く見ずにきちんと向き合っていく必要があります。

副作用で起こる口内炎の主な症状とは

抗がん剤治療の副作用で起こる口内炎の主な症状について、起こるタイミングや発生する部位、抗がん剤による症状の違いの3点から解説します。

抗がん剤治療で口内炎が起こるタイミング

抗がん剤治療を開始すると、おおよそ以下のような時期に少しずつ副作用である口内炎の症状が発生してきます。 

1日目口の中の変化は特になし
3~5日目口の中の粘膜が腫れぼったくなり、表面がつるつる光った見た目になる。
7~12日目粘膜の表面が赤くなり、一部の粘膜がはがれ、潰瘍ができる。
3~4週目回復期に入り、粘膜は再生し、元の状態に戻る。

患者さんごとに症状の度合いには差がありますが、重い口内炎の症状が出る場合は食事が摂りづらく、栄養が不足するケースがあります。

その場合は医師に相談し、対処していきましょう。

口内炎の発生する場所

抗がん剤治療の副作用による口内炎は以下の3ヵ所で発生することが多いと言われています。

  • 唇の裏側
  • 両側の頬の粘膜
  • 舌の側面の粘膜

口内炎が発生する場所により、食事を摂る際に悪影響を及ぼすこともあります。

抗がん剤による症状の違い

治療に使用する抗がん剤の種類により、口内炎の症状が異なります。

ここでは、抗がん剤の種類ごとに紹介していきます。

殺細胞性の抗がん剤

殺細胞性の抗がん剤は一般的なものであり、血流が豊富で細胞分裂が盛んな細胞に作用します。

口の中の粘膜細胞は細胞分裂が盛んなため、抗がん剤の影響を受けやすいです。

また、唾液腺は血液から唾液を生産しているため、血中の抗がん剤の影響を強く受けます。

分子標的型の抗がん剤

分子標的型の抗がん剤は、特定の標的を持った細胞をピンポイントで攻撃するタイプの薬です。

殺細胞性の抗がん剤とは副作用が異なります。

口内炎が発生することもありますが、現在のところ、原因は解明されていません。

抗がん剤による免疫の低下

抗がん剤治療を行うと体の免疫力が低下するため、ウイルス感染やカビが原因の口内炎が発生します。

いずれの口内炎も特効薬があるため、薬で治すことができる、対処しやすい口内炎と言えるでしょう。

口内炎の緩和方法とは

抗がん剤治療による口内炎は、痛みによる食欲不振や精神的苦痛を引き起こす原因になる厄介な症状とも言えます。

実際に、口内炎の症状が出た場合には、どのように対応していけばよいか、対処法を解説します。

まずは、歯を磨いたりうがいをしたりするなど、口の中は常に清潔に保っておきましょう。

治療中は口の中が乾燥しやすくなるので、口の中を潤すために水を含んだり、保湿ケアを行うことが大切です。

次に、口の中を1日1回定期的に確認するようにしましょう。

痛みや不快感など、同じ症状が長く続く場合は、薬による影響と考えられます。

治療中は刺激が強いものを食べると、口内粘膜に影響が出やすいため、香辛料や強い酸味のあるもの、熱い、冷たい食べ物は控えるようにすることが大切です。

抗がん剤治療の副作用の口内炎には予防と適切な対応が大切

 抗がん剤治療を行う際には、治療を受ける患者の30~40%に副作用として口内炎の症状が出ると言われています。

病気の改善には、食事を摂ることが大切であり、それを妨げる口内炎には、なるべく予防・改善が必要です。

それぞれの患者さんによって口内炎の症状に差はありますが、口の中を定期的に確認し、刺激の多い食べ物を控え、口内を清潔に保つことが大切です。

口内に痛みや不快感があるときには、我慢せずに主治医や歯科医に相談して対応していきましょう。 

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