AC療法(AC (40/500) 療法 AC (60/600) 療法)とは?

AC療法は、乳がん治療において、細胞の成長を停止させる作用と細胞を死滅させる作用の2種類の異なる効果を持つ抗がん剤の組み合わせによって行う治療です。

乳がんの手術前に腫瘍を小さくするためや、手術後の再発予防としても使用されます。

本記事では、AC療法の特徴や使用方法、副作用などを解説します。

目次

1.AC療法とは?

AC療法は、ドキソルビシン(アドリアマイシン)とシクロフォスファミドの2種類の異なる効果を持つ抗がん剤を組み合わせて使用して行う治療方法です。

AC療法の名前は、これらの薬剤の頭文字から取られています。

ドキソルビシンはがん細胞のDNAに作用し、細胞の成長を停止させる一方で、シクロフォスファミドはがん細胞のDNAにくっつき、細胞を死滅させる効果があります。

AC療法にはAC (40/500)療法とAC (60/600) 療法があり、これらの違いは使用する薬剤の量と投与間隔です。

薬剤の量は患者さんの状態に合わせて医師が決定します。

2.AC療法の体内での働き方

AC療法に使用されるドキソルビシンは、点滴で体内に徐々に注入され、がん細胞のDNAに介入して細胞の成長を停止させる効果があります。

また、シクロフォスファミドは、この薬剤はがん細胞のDNAにくっつき、細胞の成長を停止させたり死滅させる効果を発揮し、その後、体内で分解されて尿として排泄されます。

ドキソルビシンの注射後1~2日間は、色のついた尿や汗が出ることがありますが、薬剤の作用によるため、問題ありません。

また、シクロフォスファミドを使用した場合、尿が長時間体外に排出されないと、ときに炎症を起こすことがあるため、注意が必要です。

そのため、注射後は普段より多めに水分を取り、トイレの回数を多くすることで炎症が起こらないように気をつけましょう。

薬剤特徴
ドキソルビシン赤い色をした注射薬です。がん細胞のDNAに作用し、細胞の成長を阻害することでがん細胞の増殖を抑制します。投与後、1~2日は尿が赤く色づくことがありますが、薬剤の色のため問題ありません。
シクロフォスファミドがん細胞のDNAに結合して細胞を死滅させます。膀胱炎が生じることがあるため、投与後はこまめに水分を摂り、水分とともに排泄しましょう。

3.AC療法の治療における使用法と投与量

ここでは、AC療法の使用法と投与量について解説します。

AC療法の一般的な使用法と投与量について、詳しく見ていきましょう。

3-1.AC療法の一般的な使用法

AC療法は、乳がんの術前または術後に広く行われている化学療法であり、がん細胞の成長を阻害し、その拡散を抑えることを目的としています。

AC療法では、薬剤の投与後に副作用として吐き気や嘔吐の症状が出やすいため、抗がん剤の投与前に吐き気止めを点滴することにより予防します。

しかし、吐き気などの症状の出方には個人差があり、患者さんによっては、症状が投与した数日後に現れたり、症状が数日間続く場合などがあるでしょう。

治療をしていく中で、上手に副作用と向き合っていくことが必要です。

3-2.AC療法の投与量と周期

AC療法における抗がん剤の投与量は、以下のとおりです。

治療法薬剤の投与量と間隔
AC (40/500)療法ドキソルビシン 40mg/m² シクロフォスファミド 500mg/m²3週間おきに投与、4コース
AC (60/600) 療法ドキソルビシン 60mg/m² ドキソルビシン 600mg/m²3週間おきに投与、4コース

AC療法の投与は、急性期と遅発期の吐き気止めを15分、抗がん剤を45分(ドキソルビシン15分、ドキソルビシン30分)、生理食塩液を5分の合計約1時間弱の時間をかけて行います。

AC療法は21日(3週間)のサイクルで抗がん剤を投与します。

初日に投薬後、のこり20日をかけて休薬し、次のサイクルに移るという方法です。

4.AC療法の副作用

AC療法の主な副作用は、以下のとおりです。

副作用症状
脱毛抗がん剤の投与後、2~3週間後に発症しやすいでしょう。髪の毛が抜けると同時に頭皮が敏感になるため、摩擦や刺激などから守るために、事前に専用のキャップや医療用ウィッグを用意しておくことがおすすめです。
吐き気・嘔吐抗がん剤投与の当日から1週間ほど吐き気が続くことがあります。吐き気止めを処方してもらう他に、音楽や趣味など、なるべく自分がリラックスできる環境で過ごすことも大切です。
白血球減少抗がん剤を投与することにより、白血球が一時的に減少し、約3週間後に回復します。その間、免疫力が低下するため、細菌による感染症にかかりやすくなります。こまめな手洗いうがいや消毒が効果的です。
味覚障害抗がん剤投与の数日後に、甘みや苦味、塩味などの味覚がわかりにくくなることがあります。治療が終了すると徐々に回復してきますが、味覚障害が出ている間は無理のない食事を心がけましょう。また、口腔ケアが効果的です。
口内炎口内炎は、抗がん剤が口腔内の粘膜に影響してできる場合と、免疫力の低下が原因で増殖した細菌の影響でできる場合があります。口内炎は痛みや出血を伴います。栄養をとり、丁寧な歯磨きやうがいで口腔内を清潔に保ちましょう。

AC療法は2つの異なる薬剤で乳がんにアプローチする

本記事では、AC療法の特徴や使用法、副作用について説明しました。

AC療法は、ドキソルビシンとシクロフォスファミドを組み合わせた、乳がん治療のための抗がん剤療法で、2つの異なる効果を持った薬剤でがん腫瘍にアプローチしていきます。

この治療法は、乳がんの術前や術後の化学療法として使用されています。

治療の際は、さまざまな副作用が起こりうるとされていますが、あらかじめ心構えをしておくことで多少は気持ちにゆとりが持てる場合もあります。

主治医に相談しつつ、副作用とうまく付き合っていきましょう。

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