【70代】多いがんの部位とは?ランキングで紹介

日本でのがん罹患者数の増加は、高齢者層である70代が最も多い人数になっています。

がんの要因には加齢も関係しているためがんに罹患しやすく、高齢により食欲や体力も減少してくる70代は、特にがん予防と体調管理の必要性が求められるでしょう。

この記事では、70代の年齢層におけるがんの罹患者・死亡者が多い部位やその特徴、影響、予防法などを幅広く解説します。

高齢者におけるがんのリスクを理解し、健康な生活を維持していきましょう。

目次

1.70代のがん罹患について

国立がん研究センターによる2019年の最新がん統計によると、日本人における全年齢層でのがん罹患者数は、男性は65.5%、女性は51.2%と、一生のうち2人に1人ががんに罹患するのがその実態です。

また、2021年のデータによると、日本人ががんで死亡する確率は、男性26.2%(4人に1人)、女性17.7%(6人に1人)となっており、特に70代はがん罹患・死亡者数がピークになっています。

そのため、70代はどの年齢層よりもさらにがんに対して気を配り、健康診断や健康維持を意識していく必要があるといえるでしょう。

(注1)

2.70代の男女別がん罹患部位

ここでは、70代男女別のがん罹患部位は以下のとおりです。(※)

がん罹患部位(70代)1位2位3位4位5位
男性前立腺大腸結腸
女性大腸乳房結腸

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)

※2019年のデータを使用

(注2)

3.70代の男女別がん死亡部位

ここでは、70代男女別のがん死亡部位は以下のとおりです。(※)

がん死亡部位(70代)1位2位3位4位5位
男性大腸膵臓結腸
女性膵臓大腸結腸

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)

※2019年のデータを使用

(注2)

4.70代に多いがんの特徴とは

先ほどのデータをもとに、70代の男女別に見られるがんの特徴を解説します。

4-1.70代に多いがんの特徴:男性編

70代の男性に多いがんは、罹患数が多い順から前立腺、大腸、肺、胃、結腸と続きます。

また、死亡者数は多い順から肺、胃、大腸、膵臓、結腸と続きます。

男性のがんの罹患数・死亡者数ともに他の年齢層に比べて最も多い人数になっており、がん治療を行う方が最も多い層であるといえるでしょう。

さらに、70代に多いがんの特徴は、加齢や長期間にわたる生活習慣の蓄積、遺伝的な要因などが60代以前よりもさらに顕著に関係しており、死亡者数は60代の2倍の人数になっています。

ホルモンの変動などにより60代から大きく増加する前立腺がんは、さらに罹患者数が増えており、大腸がんは、高脂肪な食事などの不健康な食習慣によって増加していると考えられるでしょう。

また、若い頃から喫煙している方は、肺がんになる確率が高く、肺がんは死亡者数が一番多い部位となっています。

長年続いている悪習慣を断ち切ることで、がんの罹患の確率を減少できるでしょう。

4-2.70代に多いがんの特徴:女性編

70代の女性に多いがんの特徴は、罹患数が多い順から大腸、乳房、結腸、肺、胃と続き、死亡者数は多い順から肺、膵臓、大腸、結腸、胃と続きます。

また、女性のがんの罹患数は他の年齢層に比べて最も多い人数となっており、死亡率は80代に続いて2番目に多い人数となっています。

乳がんや大腸がん、肺がんなどはがん検診によって早期発見することが進行を防ぐポイントです。

さらに70歳という高齢であることから、体力や食欲の減少が病気につながることがあります。

がん検診以外にも、体力を維持し、きちんと栄養を摂ることを心がけることが大切です。

(注2)(注3)

5.70代のがんの予防と早期発見について

70代におけるがん予防と早期発見には、生活習慣の改善と定期的な健康診断が大切です。

特に、がんは初期症状に気付けないものが多く、自分で気付いたときには進行してしまっている場合もあります。

そのため、定期的な健康診断はがんに気付く大事なタイミングといえるでしょう。

また、がんを予防するためには、健康診断だけでなく、資本となる強い体づくりも大切です。

普段から健康的な食事を心がけ、ウォーキングやジョギング、プールなどの軽い運動、しっかり睡眠時間を取り、疲れを残さないようにしましょう。

さらに、身体を動かすことは、ストレスの解消にもつながります。

一人ではなく、家族や友人と共に運動すると続けやすくなるためおすすめです。

70代になっても、元気に動ける体を保ちましょう。

(注4)

70代は楽しく無理のない運動で元気に動ける体を作りがん予防

70代でのがん予防は、加齢とともに減少していく体力をいかに維持できるかが大切です。

年を取ると、なかなか動かなくなる高齢者も多くいるため、がんだけでなく転倒による骨折や、病気にかかった場合、寝たきりになってしまうこともあります。

無理のない範囲で身体を動かすことは、毎日を健康に過ごせるだけでなく、がんを予防したり、罹患時に闘える体力になります。

まずは、ストレッチや簡単な動きから始めてみましょう。

さらに、体脂肪は、太りすぎだけに注意せず、痩せすぎにも気を付けることが大切です。

年を重ねても元気に動ける体を維持し、がんを予防していきましょう。

【参考文献】

(注1)がんに関する統計|厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/11/dl/s1120-9c01.pdf

(注2)集計表ダウンロード|国立がん研究センター

https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/data/dl/index.html#anchor2

(注3)前立腺がんについて|国立がん研究センター

https://ganjoho.jp/public/cancer/prostate/about.html

(注4)科学的根拠に基づくがん予防|国立がん研究センター

https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/evidence_based.html

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