アートメイク後にMRIは受けられる?

「アートメイクをするとMRI検査を受けられなくなると聞いたことがある」

と不安を抱え、アートメイクをするか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

しかし、現在日本で施術されているアートメイクの多くは、MRIに影響は及ぼしにくいとされています。

今回はアートメイク後にMRI検査は受けられるのか、その理由や検査時の注意点などを解説します。

また、実際にトラブルが起きた事例があるのかを調べました。

アートメイクを受けるか悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでください。

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アートメイクをしていてもMRIは基本的には受けられる

「アートメイクをしていると、MRI検査を受けられない」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

基本、アートメイクをしていてもMRI検査は受けられるケースがほとんどです。

その理由と、実際にトラブルが起きた事例があるのかについて解説します。

アートメイクがMRIに与える影響とは

「アートメイクをしている方がMRI検査を受けられない」といわれる理由は、アートメイク専用の色素に、微量の金属成分が含まれているためです。

具体的には、以下のトラブル発生のリスクがあります。

  • MRIの電磁波が金属に反応し画像が乱れる
  • アートメイク部分にやけどなどの皮膚トラブルが起こる

これによって、正しい診断ができない可能性があります。

しかし、すべての色素がMRIに影響を及ぼすわけではありません。

使用する色素によっては、問題なくMRI検査を受けられます。

最近の色素はMRI検査に影響がないものがほとんどです。

また、安全面での厳しい基準を満たした、アメリカ食品医薬品局(FDA)やEUの安全規格(CE)認定の色素は安全性が高いといえるでしょう。

アートメイクでトラブルが起きた事例はあるのか?

日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業 第31回報告書では、RF(高周波磁場)に関するものは熱傷のリスクが高いとされており、アートメイクやタトゥーなどが例として挙げられています。

しかし実際に大きな事故が起きている報告はありませんでした。

さらに、日本学術振興会の「MRI検査が刺青・アートメイクに及ぼす影響」の研究結果報告書からは、熱傷のリスクがあるとされるアートメイクは、MRI検査前後で有意な変化は認められなかったと発表されました。

このことから、FDAやCEに認可されている色素や、現在日本で使用されている酸化鉄(金属)が多く含まれていないものであれば、大きな問題はないといえるでしょう。

アートメイクによってMRIが受けられない可能性があるケース

MRI検査が受けられないとされるアートメイクは、以下のケースです。

  • 10~20年以上前の酸化鉄(金属)が多く含まれている色素を使用している可能性がある場合
  • FDA・CEの認可されていない色素を使用した場合
  • 海外で施術を受けたため色素の種類が分からない場合

しかし、アートメイクは決して安いわけではないため、少しでも費用を抑えたいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

安い色素は安全性が保障されていないものも多く、トラブルのリスクが高まります。施術費用が安すぎるクリニックには注意しましょう。

そもそもアートメイクは医療行為であるため、医療機関で受ける必要があります。

さらに、医師免許や看護師免許などを保有している施術者を選ぶことが大切です。

医療施設ではないサロンで行っているような無免許の技術者から施術を受けないように気をつけましょう!

アートメイクをしていることは主治医に伝えよう

安全な色素を用いた施術を受けていても、アートメイクをしている場合は必ずMRI検査の時に、検査技師や主治医へ伝えましょう。

特にアイラインは、他の箇所のアートメイクに比べて火傷のリスクが高いといわれています。

そのため、定期的にMRI検査を受ける機会がある方は、信頼できるクリニックでアートメイクを依頼すると安心です。

さらに、使用した色素の詳細をメモしておくことで、検査時にトラブルが起きないか検査技師へ確認しやすいでしょう。

また、検査中に万が一痛みや熱を感じたら、すぐさまMRI装置内にある緊急用ブザーやマイクで知らせましょう。

MRI検査でのトラブルを起こさないためには、事前に医師や検査技師などの医療スタッフへその旨を伝えることが大切です。

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アートメイクをしていても基本的にMRI検査は可能

2023年現在、日本で医療アートメイクを提供するクリニックのほとんどは、MRIには影響のないアートメイク専用の色素を使っています。

しかし、医療において100%安全というものはありません。

今後MRI機器の性能がより精密になれば、影響が全くないとは言い切れないでしょう。

そのため、信頼できるクリニックで施術を受けていた場合であっても、アートメイクを施している際は、検査前に必ず医師や検査技師に伝えてください。

また、今後MRI検査を受ける予定がある方は、検査が終わってからアートメイクを受けると安心です。

なるべく安全にアートメイクができるように、今回の記事をぜひ参考にしてください。

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